3分で高めるワイン偏差値

2020年/庶民の十二使徒ワイン

年末の恒例となりました、「庶民の十二使徒ワイン」のコーナー。前年度同様に毎日更新は続けられ、全375本を一般ワイン消費者として楽しまさせてもらいました。

しかし、ナンバー1ワインを決めるとなると、ワインって性質上「味わいの満足度はほぼ価格に比例する」法則があります。

すなわち、高いワイン飲んでる貴族民からすると、

「そんなワインより旨いのたくさんあるよ。」と受け取られますし、好みは千差万別と言った点でも1本に絞ることは難しいです。

すなわち、12本の使徒ワインとして発表することにより、様々な好みや飲むべき場面をカバーすることができる楽しみができます。

正直な所、安価なワインで心から感動できたワインは一握りなので、今回の12本選ぶのにさほど苦労しませんでした。それは裏を返せば、究極でいて、至高的な庶民のワインは、飲んですぐに理解できる説得力が秘められているのです。

今回選出した条件と注意点

  • ブルゴーニュやメドックはAOCでランク付されているので除外
  • ネットを利用すれば全国いつでも購入可能
  • 探せば税抜2千円台前半以下で買える
  • ぶどう品種はバランス良く選出
  • 白と泡多め(察して)
  • 「二日目が〜」とかのいいわけ無し。抜栓直で旨い!
  • 「ヴィンテージが〜」とかのいいわけ無しで安定しているはず。
  • ロット差(個体差)って言い訳もなし!
  • 自分の主観だけではなく、資格所有者のチェック済み(ブラインド含)
  • 購入経路が偏ってきたので、インポーターも偏りあり。
  • 案件なし(運営コスト上、来年度から案件受けるかも。その際は案件と宣言しますので、ご安心を)

それでは発表します。

第一の使徒 通称:庶民の泡魔神

クレマン ダルザス エクストラ ブリュット/ジョセフ グリュス エ フィス

参考小売価格:2700円

産地:フランス/アルザス

品種: ピノ・ブラン、オーセロワ、リースリング

購入元:かめや

インポーター:ラックコーポレーション

Cremant d’Alsace Extra Brut Joseph GRUSS et Fils

何を隠そう、当研究所で一番消費量が多いのは「赤ワイン」でも「白ワイン」でもなくスパークリングワインなのです(自己印象)。

そんな私が、満を持して2020年締めくくりのトップバッターを任せた「庶民の泡魔神」がこの「クレマン ダルザス エクストラ ブリュット/ジョセフ グリュス エ フィス」

実は本場フランスの一般家庭で一番消費されているスパークリングが「クレマン・ダルザス」なのですが、その事実に偽り無いと思えるアルザスパワーがこのワインで確認可能できます。

タイプ的には「シャンパーニュを目指してる方向性」なのですが、同じ満足感をシャンパーニュで得ようとすると5千円以上積まなくてはたどり着けないレベル。

ブルゴーニュワインの輸入に定評のあるラック・コーポレーション(輸入元)なので、比較的貴族価格がメインなのですが、この売価設定には感謝の一言。

甘さ違いで種類あるのですが、当研究所が使徒に選んだのはエキストラブリュット(超辛口)の方です。

第二の使徒 通称:庶民の祭り

フェウド アランチョ ダリラ

参考価格:1400〜1700円

産地:イタリア/シチリア

品種: グリッロ/ヴィオニエ

購入元:フェリシティ〜(楽天)

インポーター:モトックス

Feudo Arancio Dalila 

2020年初頭、モトックスの公式Twitterが動きました。

「ハッシュタグ#アランチョ祭りでプレゼントキャンペーン!」

記憶は定かなのですが、安ワイン道場師範が全種類に近いアランチョの写真をツイートしたことがきっかけで始まったこの企画。1本千円前後と安価なシリーズ故に、当研究所でもほぼ全種コンプリート。

言うまでもなく全種類千円前後の安ワインとしては満足度が高く、その日の気分によって品種を飲み分けたいのが本音。

しかし「フェウド アランチョ ダリラ」は、濃さが絶妙なバランスなので、場面や人を選ばないユーティリティな側面が今回の選出に繋がりました。

ワイン探求者は味を覚えたい欲求が高いゆえに、単一品種のワインを多く選びがちですが、職人的調合師が飲みやすく仕上げたブレンドワインこそ「大衆受けする飲みやすいワイン」だと言えますよ。

第三の使徒 通称:庶民の自然派ワイン

コトー デュ ポン デュ ガール キュヴェ デ ガレ

参考小売価格:1600円

産地:フランス/ラングドック

品種: グルナッシュ50/カリニャン50

購入元:鬼田酒店

インポーター:株式会社ラシーヌ

Cuvee des Galets

「自然派ワインって癖が強くて苦手!」

「自然派ワインって最低3千円以上出さないといいのないよね!」

そんな声を否定することなく安価に自然派ワインを体験できるのがこの「コトー デュ ポン デュ ガール キュヴェ デ ガレ」。

飲み物というよりは食べ物に近い液体なので、普段当研究所がオススメしているスイスイ飲めるガブ飲みワインとは対極のポジション。

テイスティング試験なんかで絶対でないような曲者的味わいですが、コテコテの自然派でもないので受け皿は広いです。

自然派ワインが苦手な人にあえてチャレンジしてもらう代物でもないですが、自然派ワインってどんなの?って興味がある層に是非とも進めたい1本。その安さと買いやすさは、他の自然派ワイン達には真似出来ない「庶民の自然派ワイン」と言えるでしょう。

第4の使徒 通称:究極のミュスカデ

ミュスカデ・コート・ド・グランリュー・オリジーヌ・ドゥ・オー・ブール

参考価格:4950円(楽天セール時ならだいたい半額)

産地:フランス/ロワール/ミュスカデドセーブルエメーヌ

品種: ミュスカデ 

購入元:銘醸ワイン専門 CAVE de L NAOTAKA (楽天)

インポーター:株式会社都光

当研究所がCAVE de L NAOTAKAさんを贔屓ショップに決定づけたきっかけの1本。

「ミュスカデなんてどれも似たりよったりの味わいでしょww」

って頭でっかちな勘違いを、脳天に衝撃を与えるほどのインパクトを受けたミュスカデがこの「コート・ド・グランリュー・オリジーヌ・ドゥ・オー・ブール」。過去ポッドキャストで「食生活アドバイザーのイケアキ先生」や「ゴ・エ・ミヨ掲載店のオーナー茂ソムリエ」がプラインドでその真価をリスナーに届けた実績があります。

ちなみにこのワインを自宅で楽しんだ約半年後、NAOTAKAさん主宰のブラインド会で見事撃沈。たしか北イタリアのレベル高いワインとか曖昧にしか答えれなかった記憶が(汗)。やっぱミュスカデとは思えないですよ!

第5の使徒 通称:庶民の泡キング

 ポール マス プリマ ペルラ クレマン ド リムー ロゼ ブリュット

参考小売価格:2000円

産地:フランス・ラングドック・リムー

品種: シャルドネ 70%/シュナン 20%/ピノ・ノワール 10%

購入元:かめや

インポーター:モトックス

Paul Mas Prima Perla Cremant de Limoux Rose Brut

「低価格のスパークリングは炭酸きつくて辛口なら許せる」なんて粋がってましたが、2千円近くまで予算を引き上げると世界観がガラッと変わることを証明してくれた1本。

実はこのポールマスシリーズ、赤のドメーヌ・ポール・マス クロード・ヴァル 2018も今年中盤までは殿堂入り候補でしたが、この「ポール マス プリマ ペルラ クレマン ド リムー ロゼ ブリュット」と比べるとレベル差が違いすぎたので泣く泣く落選。

この感動すべき庶民のロゼスパークリングは、より多くの人と分かち合いたいので、プレゼント企画の1本に選出予定です。

第6の使徒 通称:庶民の謎ワイン

ジェイコブス クリーク“わ” 赤

参考価格:1600円前後

産地:オーストラリア

品種: 不明

購入元:フェリシティ(楽天)

インポーター:ペルノリカール

JACOB’S CREEK“WA” RED

使用品種不明の色物系謎ワインですが、そんな偏見意見を味わいで黙らせる破壊力がここにあります。

冷やかし半分で飲み始めましたが、キレイに調和されたバランスにグラスを持つ手が離れません。

正直な所、庶民的な価格の赤ワインは「濃くて分かりやすいタイプ」しか選び道がなく、この「ジェイコブス クリーク“わ” 赤もそんな当研究所理論にそった選出。

しかし、ポッドキャストのファーストシーズンで茂ソムリエが「クローズドエルミタージュ」(フランス・ローヌ地方の貴族ワイン)なんて答えてますし、偏見なく飲んでみると違った景色が見えるのかも。

第7の使徒 通称:ワンコイン神

セブンプレミアム ビノセント アイレン

参考小売価格:458円税抜

産地:スペイン(瓶詰めは日本)

品種: アイレン

購入元:セブンイレブン

VINOCENT AIREN

もはや説明不要。

有名ワインユーチューバーも唸ったその実力は、是非ポッドキャストの本編をお聴きください。青野ソムリエの軽快なトークは、今年度MVPエピソードに輝きましたよ。

第8の使徒 通称:庶民の東欧ワイン

ヴァイン・イン・フレイム シャルドネ デアルマーレ 

参考価格:1500円ぐらい

産地:ルーマニア/デアルマーレ

品種: シャルドネ

購入元:かめや

インポーター:モトックス

Vine in Flames CHARDONNAY

語弊を恐れずにいうと、ワインに馴染みがない人が、千円前後の樽ドネ(樽熟成されたシャルドネ)飲むと、トラウマになります。

シャルドネって品種の性質上、どこでも育ちやすく、生産されやすいので、ワンコインからでも見かける品種なのですが、当研究所でもトラウマ経験が多い故に「シャルドネ選びは他ワインより慎重になります。」

そんな安価なシャルドネ選びは、地元の酒屋さんオススメということで出会うことが出来ました。

あとから知ったのですが、有名ワイン雑誌「リアルワインガイド」の表紙になったりしている知る人ぞ知る安旨ワイン。実際にヴァイン・イン・フレイム シャルドネ デアルマーレをツイートしたときのエンゲージ力の高さが、このワインの認知度を物語っていました。

第9の使徒 通称:安チリの新スタンダード

インドミタ デュエット プレミアム ピノ ノワール 

参考小売価格:1500円ぐらい

産地:チリ・カサブランカヴァレー

品種: ピノ・ノワール

購入元:CAVE de L NAOTAKA(楽天)

インポーター:株式会社都光

「研究所」と名乗っている以上、同じワインセットをリピートしないのが筋なのですが、こと「鬼コスパセット」は別物。一年の間に8回ものマイナーチェンジを繰り返し、消費者を飽きさせない販売手法はニクイの一言。

この「インドミタ デュエット プレミアム ピノ ノワール」は、通常売価が安い為、割引率的なお買い得感は低いですが、定価でも味わいの満足度が高すぎる為、納得の鬼コスパワインです。

チリの高レベルな安ワインといえば、「コノスル」が筆頭とされますが、この「インドミタシリーズ」も侮れない実力ですよ!

第10の使徒 通称:ロシアの変化球

シャトー タマーニュ トラミネール

購入価格:税込み1870円

産地:ロシア・クラスノダール

品種: ゲヴェルツトラミネール

購入元:CAVE de L NAOTAKA

インポーター:エスティエイチアース株式会社

Chateau Tamagne Traminer Kuban Vino

ゲヴェルツトラミネール=ライチ」そんな偏見を持ってた時期もありました。

しかし、この「シャトー タマーニュ トラミネール」はロシアの冷涼な雰囲気からはイメージできない濃密で繊細な味わいでライチ要素皆無なゲヴェルツトラミネール。そんなワインを予備知識なしのブラインドテイスティングで飲むとこのようになります

純粋な味わいの優劣では同じロシアでも「シャトー タマーニュ セレクト ブラン 2017 クバンビノ」に軍配が上がるのですが、安さや、認知度が高いゲヴェルツトラミネールって品種ってポイントが高いのでこちらを庶民の使徒ワインとして選びました。高けりゃ旨いなんて当たり前ですし、味わいの誤差なんて気分次第では大きく変わるものですからね。

第11の使徒 通称:庶民のデザート

アイスワイン・ラインヘッセン ヨット・ハーン

参考価格:1990円

購入価格:997円

産地:ドイツ/ラインヘッセン

品種: シルヴァーナー

購入元:リカオー 

インポーター:株式会社ドウシシャ

正直な所、デザートワインなんて飲み慣れていないので、全部美味しく感じちゃうのですが、この「アイスワイン・ラインヘッセン ヨット・ハーン」は地元の量販店で投げ売りされていたお買い得ゲット品。

そのお買い得感から、当研究所ではまとめ買いして、プレゼント企画なんかで配りましたが概ね高評判。しかし、デザートワインに慣れている人が飲むとこんな感想になりました。

まぁ、アイスワインが千円以下で売られている時点で問答無用の殿堂入りなのですが、そもそも安くないとアイスワインなんてチャレンジしようと思えない代物ですからね。当研究所がギャグっぽく貴族のワインなんて比喩をよく使いますが、アイスワインは凍った葡萄から奇跡的に誕生したワインで、昔は大真面目に「貴族のワイン」って言われてたそうですよ

第12の使徒 通称:泡の守護神

シャトー・ド・ロレ クレマン・ド・ロワール ブリュット

参考価格:2115円

購入価格:1880円

産地:フランス/ロワール

品種: シュナンブラン

購入元:ワインクラブ30

インポーター:株式会社フィラディス

Chateau de l’Aulee Cremant de Loire Brut N.V.

泡で始まり、泡で終わる。

最後を飾るのは正統派なワインを持ってきました。

「シャトー・ド・ロレ クレマン・ド・ロワール ブリュット」

もう名前からして正統派。

インポーターも正統派の雰囲気漂うフィラディスさん。

気圧が高く、濃密で一日の締めにピッタリのワイン。味わいはワンランク上のクレマン・ド・ロワールでありながら、お値段はワンランク下のクレマン・ド・ロワールと、直輸入直販ショップだからこそできる価格設定。

クレマン・ド・ロワールってどんな味なの?って問われると、四の五の言わずにこのワインを注ぎたい。そんなクレマン・ド・ロワールです。

総括

品種、国、インポーターを偏りなく選出したつもりが、振り返ると、

フランス率40%(アルザス、ラングドック2、ロワール2)かつ、8割がオールドワールド(ヨーロッパ)という偏った結果に。

スパークリングなんかは、3本全部がクレマン(フランスの瓶内二次発酵)表記ですし、購入時点で自分のヨーロッパワイン至上主義的な偏見が伺え、2020年の反省として受け止めております。

そして、消費者心理を匠に操る宿敵ワインショップ「CAVE de L NAOTAKA」さんとの出会いが、そんな買い物の偏りに歯車を掛けたと言っても過言ではありません。

2021年はもっと視野を広げた「記号に頼らない」ワイン選びを課題に、未開拓ショップとの出会いを期待しておりますので、皆様からの情報も随時お待ちしていますね!

ABOUT ME
井原大賀
〜ワインをより多くの人に〜GrapeJapan合同会社代表| ソムリエ協会認定講師|ワイン評論と音声メディア運営| 人と時間に縛られない田舎暮らし
ワイン購入は楽天カードMUST!