今年から始めた「庶民のワイン研究所」ですが、合計テイスティング日記数380本と無事皆勤賞で本年度を締めくるることができました。試飲会や勉強会も月二回以上のペースを維持しているので、年間500本以上のテイスティングを達成しております。
しかし、そんな本数をこなしていても、「感動するワイン」は少なく、「場面やシュチュエーション」抜きで絶頂するワインはほんの一握り。
でも安心してください。
選び抜きましたよ。究極でいて、至高的な庶民のワイン12本を。
よほどの屁理屈好きマウントおじさんや、ひねくれ自称玄人じゃない限り、今回選ばれた12本のワインは大多数の人が大満足できるワインと確信しています。
選出した4つの使徒条件
- 庶民が無理して手の届く範囲内での価格(セール駆使すれば3千円以下)
- 品種、生産国、インポーターをバランスよく選出(多少エノテカ多め)
- ※ブルゴーニュやメドックはAOCでランク付されているので除外
- 感動ポイントが必ずある。
では、早速紹介していきますね。
※ブルゴーニュやメドックは生産者(シャトー)で評価が定まっています。価格的にも庶民が飲める回数は年に数回レベルなので、そう言った高ワインの評価は雑誌や「忖度なしの評論家情報(探すのが難しい)」で確認してみてください。※
第一の使徒
シャトーデレスラ トカイ フルミント ドライ 2017
記事タイトルに「凄まじきワイン」とまで評したこのワイン、購入価格驚きの税込1115円。
ワイン通ならずとも馴染みの薄い「フルミント(辛口)」という品種ですが、ハンガリーではメジャー中のメジャー。そして世界三大貴腐ワインのトカイにも使用されている代表品種(貴腐ワインは甘口)なのです。
温度変化で変わる味わい、癖がないようでしっかりとした個性も持ち合わせており、是非、格安ワインって色眼鏡を外して味わっていただきたい1本。
インポーターは今年評価爆上げのモトックス様。Twitter中の人のお人柄の良さを感じて欲しいのも選出理由の一つです。
感動ポイント:定番白品種のポジティブ面が結集した陽性の味わい。
第二の使徒
プティ・エニーラ ベッサ・ヴァレー・ワイナリー 2015
ワインブログの大御所「安ワイン道場」様に唯一門下生報告をした選ばれしブルガリアワインの至宝。
頑張れば千円台で買えるコストパフォーマンスもさることながら、「濃くて」「わかりやすくて」「複雑性」がある三拍子揃った味わいは、まさに大衆の味覚を研究し尽くしたワイナリーと言えるでしょう。
感動ポイント:重厚感のある凝縮された力強い味わいでいて「まろやか」
第三の使徒
ケンダルジャクソン ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ
マイナーなワインばかり選出して「オレ玄人だぜ」みたいに気取りたくないのが本心。この辺りで、知名度抜群のワインを出しておきたかったのです。
フランスワインはある程度「地域や生産者」で保証されている買い物(値段幅が納得できる)ができるのですが、ことカリフォルニアに限って言えば、ワインの価値を判断するのに「販売会社さんの値付けを信じるほかしかない」現状があります。
そんな中、このケンダルジャクソンは、アメリカでは庶民のワイン的ポジションながらも、「明らかにフランス同価格帯と比較すると格上」な「わかりやすいお手本のような味わい」が堪能できます。
特にこのシャルドネ、「いつ、どんなヴィンテージを飲んでも、毎年安定した味」に仕上がっています。
感動ポイント:フルボディの赤ワイン好きな食わず嫌いに、白ワインのイメージを変えることのできる濃厚なテイスト
第四の使徒
シャトー・オーシャ ラ・ローズ
当研究所が唯一定期的にリアル店舗でお買い物させていただいている「リカオー 」様で見つけた掘り出し物。〇〇賞やメダルシールペタペタの低価格ボルドーには数多くの失敗ワインをつかまされましたが、このボルドーは村名(フロンサック)だけあってバランスが整っていました。
ちゃんとした低価格ボルドーワインって探せばあるもんですね。
感動ポイント:甘さ/酸味/渋み/が三位一体となっている綺麗なボルドー
第五の使徒
シルク フリウラーノ
アマゾンの定期購入便でも買える、すっきりとした上品な甘さが印象的の白ワイン。
イタリアと言えば、ピエモンテ州やトスカーナ州がネームバリュー的に売れていますが、こと庶民のワイン価格に焦点を絞れば、イタリアのマイナー州は掘り出し物が多く潜んでいます。
このワインは「フリウリ ヴェネツィア・ジューリア州」と如何にも呪文のような覚えにくい名前ですが、白ワインの銘醸地として知る人ぞ知る穴場でもあります。
通称は「フリウリ」で大体通用するので、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか?
感動ポイント:疲れた体を癒してくれる「爽やかな甘さ」は下手なマッサージよりリフレッシュすることができます。
第六の使徒
モンテス・アルファ・カベルネ・ソーヴィニヨン ヴィンテージ・セレクション
チリの低価格なカベルネ・ソーヴィニヨンって「安定はしてるけど、誤魔化しが凄い」(誤魔化し感=無理やり味付けされた薬っぽい味)。しかし、そんな「誤魔化し感」を極限まで高めると「それはもう、誤魔化しではなく本物」称さなくてはいけません。
このモンテスのヴィンテージセレクションは、通常のアルファシリーズの熟成タイプ。早飲みが定説とされている中、コストをかけて蔵出しされたその実力はまさに絶頂ワイン。
感動ポイント:庶民がなかなか体験することのできない「熟成香、熟成風味」のオールスターニュアンスを頑張れば買える価格で得ることができます。
第七の使徒
ヴィノジア ヤーデ N.V.
スパークリングと言えば「フランス/シャンパーニュ」「スペイン/カバ」が流通量的にもベストな選択であることは否定しようのない事実。かといって、イタリアの泡は甘ったるくて雑なスパークリングによく遭遇するし、銘醸地の「フランチャコルタや、オルトレポパペーゼメトードクラシコ」なんかは覚えにくいだけでなく値段も貴族。
そんな偏見やトラウマをいつも壊してくれるのは、「フィラディス」さん。
スパークリングといえば「辛口」しか飲まない民(私)も納得の辛口仕上げ。
感動ポイント:高い気圧、辛口の中に潜む「うっとりしちゃう甘さ」
第八の使徒
アルトス・イベリコス・レゼルヴァ
スペインワインは、コストパフォーマンスが高く、庶民に寄り添ってくれている分、3千円前後の高価格帯はフランスに流れがち。
このワインは、そんな普段接することのない三千円台のスペイン/リオハワイン。エノテカの1万円福袋に入っていてたまたま知り合えたのですが、三千円だして、1万円ぐらいの満足度を得られると言った意味では、貴族のスペインワインも決して無視できない存在になりました。
感動ポイント:濃厚&マイルドで、厚みがあるのに重苦しくない完璧な飲み心地。
第九の使徒
ラパリーガ ダ キンタ ティント
ウイスキー党の私がワインにハマったきっかけの1本。このワインに出会うまでに抱いていたワインの印象は、
キザで子難しくて、お高いお金持ちの飲み物。安いやつはあまったるい葡萄ジュース
しかし、このワインを初めて飲んで、「あっワインって旨」と感じさせてくれました。
その後1000種類以上のワインを経験し、思い出フィルターがかかっていないか再購入したところ、全く期待を裏切らない味わいでした。
感動ポイント:複雑で掴み所がないのに、「赤ワインの代表的な味」とも言える謎のまとまりがあります。
第十の使徒
クヴェアバッハ クラシック・リースリング
「白ワインっていえばシャルドネっしょ」なんて固定観念を、見事打ち砕いてくれたのは「やはりフィラディス」。リースリングってメジャー品種の割に、リアル店舗だと選択肢少なめ。だからこそ、良質なリースリングに出会う機会も必然的に低くなってしまいます。
このワインは、飲んだ瞬間に、「白ワインって言えばリースリングじゃね?」って新たな新境地を見出してくれた貴重な1本。
感動ポイント:お手本のようなリースリングにプラスアルファの奥行きがあるので、酸味が強い品種らしからぬ「恍惚な気分にひたれる」不思議なワイン。
知名度はまだそこまで高くないが、こうした一流の生産者と肩を並べるクヴェアバッハはまさに今飲むべき造り手であり、熟成したリースリングを最高の状態で味わうならば、クヴェアバッハを置いて他にはいないだろう。
https://firadis.net/item/605.html?bno=top_recent_cart
なんて売り文句も納得。
第十一の使徒
ラ・クレマ ソノマ・コースト ピノ・ノワール
ブルゴーニュ信者に新世界ピノ・ノワールのポテンシャルを気づかせてくれた1本。
今このワインを紹介するために、タイピングしている手が、その味を思い出して震えています。
世の中にたくさんの娯楽が汎用していますが、このワインは無音で何もせずに「グラス内の液体との会話」だけで楽しめる薬物のようなワイン(薬物は未経験です。)
感動ポイント:ブルゴーニュのような繊細でエレガントなピノ・ノワールを陰性とするならば、このワインは影のある陽性のワイン。単にわかりやすくピノの持ち味を凝縮しているだけでなく、飲み飽きない引き出しの多さが光っておりました。
第十二の使徒
シレーニ・セラー・セレクション・スパークリング・ソーヴィニヨン・ブラン
はっきり言ってシレーニの全種類がノミネート対象。
しかし、そんなシレーニでも欠点があります。それは、
「お手本のような味わいが、面白みを欠いてしまう」と点。
すなわち、他の品種はどうしても完成度の高い模倣ワインに感じてしまいます。
しかし、このワイン、ソーヴィニオンブランのスパークリングですよ。
スパークリングと言えば「シャルドネ」「ピノ・ノワール」が主役とされているなか、「ソーヴィニオンブラン」ですよ。。
飲む前までの印象は、
「どうせ、ソーヴィニオンブランに炭酸ガス注入したような感じでしょ。」
なんて構えてましたが思わず、
「おぉ、おおおおおおおおおお、うぉおおおおおおおお」
ってなりました。ソーヴィニオンブランの銘醸地ニュージーランドだからこそ可能な発想。未体験の方に全力でお勧めしたい最後の使徒です。
感動ポイント:スパークリングのスクリュー栓。便利極まりない、最高です。
最後に、庶民を支えたワインセラー の紹介
通販ワインを利用する上で、送料は必要経費です。
しかし、ケチ臭い庶民感覚だと、なんか損した気持ちになるのも事実。
結論、まとめ買いですよ。
そこで、置き場所問題が発生します。
解決策、ワインセラー ですよ。
ケチって安いの買ってモヤモヤするより、フォルスター行っときましょう!
私も、ビビりながら一年前にポチっとしましたが、購入額以上の満足感は間違いなく得られています。
年間消費量100〜500本ぐらいの人は、↓これバランス的に最強です。