※ 庶民のワイン研究所は、アフィリエイト広告およびブログ広告による収益を得て運営しています。リンクからの購入により売上の一部が本サイトに還元されることがあります。

フランス/ロワール地方

ロワール地方を巡る味覚の旅──今回はシュナン・ブラン

ヴァル ド ロワール シュナンブラン レ ロシェル

LES ROCHELLES CHENIN BLANC

参考小売価格:2399円

産地:ロワール

品種: シュナン・ブラン

購入元:リカオー店頭

インポーター:ルミノ・ヴィーノ

最近、ロワール地方のワインに集中して向き合っています。今月だけで、ソーヴィニヨン・ブラン5種、カベルネ・フラン3種を試飲。品種の個性やテロワールによる微差を、自分の感覚で確かめる贅沢な時間を過ごしています。

今回は、いよいよロワールを代表するもうひとつの白ブドウ品種、シュナン・ブランに挑みます。

選んだのは、以前ソーヴィニヨン・ブランでも印象に残った造り手、「ドメーヌ・デ・ロシェル」のヴァル・ド・ロワール。地域・生産者は共通で、品種だけが異なるという絶好の比較対象です。

家族の手による真摯なワイン造り

この「ドメーヌ・デ・ロシェル」は、4世代にわたって家族経営を続ける老舗ワイナリー。現在は4代目ジャン=イヴ・ルブルトン氏とその妻アニタさんが中心となって運営し、息子ジャン=ユベール氏と妻クリステルさんも参画しています。家族の手で丁寧に育まれるワインは、どこか温もりがあり、飲み手の心に静かに寄り添ってきます。

テイスティングノート──甘辛のあわいにある凛とした個性

グラスに注ぐと、3種のシュナン・ブランすべてに共通するのは、やや緑がかった明るいレモンイエローの色調。その見た目からして、いかにもロワールらしい爽やかさを予感させます。

今回のロシェルの1本は辛口タイプ。他2種が甘口だったため、同じ品種でありながらベクトルが大きく異なることは分かっていましたが、**「同じシュナン・ブランで、甘口と辛口でどう異なるのか」**という点にこそ、コンクール対策としての意味があると感じています。

香りの立ち上がりは、柑橘を主軸にした軽快なフルーティさ。思わず「ソーヴィニヨン・ブランにも似てる?」とよぎりますが、時間の経過とともに、シュナン・ブラン特有の蜂蜜や完熟リンゴ、白い花のような厚みと甘やかさがじわりと顔を出してきます。

味わいは、第一印象のとろみと丸みこそありますが、しっかりとした酸と微細な苦みが骨格を支え、全体を**「あくまで辛口」として成立させている**バランス感覚に唸らされました。

飲み慣れたソーヴィニヨン・ブランに比べると、シュナン・ブランはひと口ごとに思考を促される複雑さがあります。同じ価格帯であっても、より奥行きを感じる味わいと表現できるでしょう。

庶民のお酒ランク(詳細

今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com