クロンティラス・アフロン・ペティアン・ナチュレ
Krontiras Afron Petillant Naturel
参考小売価格:3000円ぐらい
産地:アルゼンチン
品種: アリアニコ
購入元:燃えるカワサキ(楽天)
インポーター:ヴォガインターナショナル
楽天「ワインの日」に、燃えるカワサキさんのペットナットセットを購入。その中から開けた一本は、アルゼンチン産のペットナット。ペットナットとは「ペティアン・ナチュレル(Pétillant Naturel)」の略称で、いわゆる瓶内一次発酵によって自然な泡を生じさせたナチュラルスパークリングワインのこと。シャンパーニュのように後から糖と酵母を加える二次発酵とは異なり、発酵途中のワインをそのまま瓶詰めすることで、自然なガスを閉じ込めた、いわば“野生の泡”とも呼ぶべき存在です。
赤・白・ロゼ・オレンジ・スパークリングと、ワインには多様なスタイルがありますが、私が最も心惹かれるのがこのペットナット。手間がかかる上に生産量も少なく、単品で購入すれば3千円超えは当たり前という中、今回のセットでは1本あたり2千円以下で入手できるというからありがたい。単なる価格以上に、このジャンルに気軽に触れられる機会が得られる点で、こうしたセット販売には大きな価値があります。
今回のワインの品種はアリアニコ。南イタリアでよく使われる、濃厚な赤ワインを生むブドウですが、グラスに注ぐとその色調は驚くほど鮮やかなオレンジ色。造りとしてはおそらくロゼに分類されるのでしょうが、見た目のインパクトがオレンジワインを連想させ、否応なしに脳が「これはオレンジだ」と判断してしまいます。
見た目に違わず、ガス圧はやや強め。香りをとると、外観に引っ張られてか、ほんのりと柑橘のニュアンス。口に含むと、まず最初にくるのは“苦味”。それも、オレンジの果肉ではなく、あの白いワタの部分だけをぎゅっと噛み締めたような、野趣あふれる苦み。けれども、それが嫌味に感じられないのが不思議で、プチプチと弾ける泡とともに、あとからじわじわと果実の甘やかさが湧き出してくる。まるで、スパルタ教師がふと見せる優しさのようなギャップが心地よく、飲み手を惹きつけてやまないのです。
このように、苦味やガス感がしっかりしているぶん、幅広い料理に合わせやすく、特に揚げ物やスパイス系の料理とも好相性。加えて、ボトル上部と底部とで澱の混ざり具合が変わることで、前半はキリッとタイト、後半はまろやかでふくよか。1本の中でまるで2本分のワイン体験が楽しめるのも、ペットナットならではの魅力です。
本日の組み合わせ
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Aランク (24年3月より基準改定)
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