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ドイツ

詩的なモーゼル、構築的なラインガウ

ローゼン・ブラザーズ リースリング・ドライ

LOOSEN RIESLING DRY LOOSEN BROTHERS

参考小売価格:2750円税込

産地:ドイツ・モーゼル

品種: リースリング

購入元:ヘレンベルガーホーフ

インポーター:ヘレンベルガーホーフ

https://youtube.com/shorts/ybPYa4xvzT4?feature=share

リースリングという葡萄は、同じドイツでも土地によってまるで人格が変わる。

最近飲んだラインガウのリースリングは、直線的で「構築的」、どこか貴族的な印象を受けました。

一方、今回のモーゼルは、同じ品種ながら「詩的で儚い」と評されるタイプ。

そうした先入観をいったん脇に置き、フラットな気持ちでグラスを傾けます。

色調は淡く透きとおり、香りはレモンやライムのような柑橘に、ミントの清涼感、かすかに蜂蜜を思わせる甘やかさ。

酸はしっかりと感じられるものの、ラインガウほどの緊張感はなく、どこか柔らかい輪郭を描いています。

良く言えば繊細、悪く言えばややコクに欠ける印象ですが、口中でゆっくり転がすとほんのり粘性を感じ、果実の深みが顔を出します。

集中してリースリングを飲み比べていると、いつのまにか自分の中で「リースリング像」が揺らいでくる瞬間があります。

ブラインドで飲むと、ショイレーベをリースリングと錯覚したり、逆に品種よりも「ドイツワインらしさ」という共通項が浮かび上がったり。

つまり、リースリングという個を超えて、ドイツという土地の空気そのものを感じるようになるのかもしれません。

今回のボトルは、モーゼルを代表する名門「ドクター・ローゼン醸造所(Dr. Loosen)」のリースリング。

200年の歴史を誇り、「畑ごとの味わいの違いを表現する見本」と評される造り手です。

このワインも例に漏れず、モーゼルらしいクリアでシャープな酸が印象的。

爽やかでドライなスタイルながら、奥に微細なミネラルが息づいています。

英国の評論家ジャンシス・ロビンソン氏が、南仏の別荘で愛飲するワインとしても知られる一本。

寒さを帯びていく季節の中、こうした透明感のある酸が、むしろ心を澄ませてくれるように感じます。

庶民のお酒ランク(詳細

今回のワインは:Bランク (24年3月より基準改定

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com