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フランス/ブルゴーニュ地方

本当のボジョレーヌーボー解禁日

ボジョレー ヌーヴォー ヴィエーユ ヴィーニュ ルー・デュモン 2024

Lou Dumont Beaujolais Nouveau Vieilles Vignes

参考小売価格:4950円

産地:ボジョレー地区

品種: ガメイ

購入元:ローカルスーパー

インポーター:株式会社ヌーヴェルセレクション

ご存知、ボジョレー・ヌーボーの解禁日は11月の第3木曜日。

世界最速で日本がその解禁日になっているという理由で、当日のワイン売り場は賑わいを見せます。

そんなイベントを冷めた目で見る人がいる一方で、解禁日に合わせて毎年好きな生産者のボジョレー・ヌーボーを飲むのを楽しみにしてる人たちもいます。

私も例外なくその一人。

毎年JPシェネで解禁日を楽しんでいます。

いわば、節分の恵方巻、土用丑の日のウナギ、ハロウィンパーティーやクリスマスのチキンのようなもの。

七草粥なんて、1月7日以外に食べようとは思いませんし、年越しに食べるおそばが格別に美味しく感じるのも風習にあやかってのこと。

しかし、それら一般的なイベントで食べられる料理は「イベント日だけ高くなる」ということはありません。普段200円で売ってるおそばが年越しシーズンに400円になったら誰も買わないでしょう。

ただ、ことボジョレー・ヌーボーに関しては話は別。解禁日に合わせて輸入するので、航空便コストが上乗せされます。

おそらくその構造が理解されているからでしょう。「航空便だからしかたないよね」って理解してくれるからイベント価格に設定しておこう。となっているのではと感じています。

ではボジョレー・ヌーボーの中身に対する適正価格はいくらぐらいなのか。それは「ヌーボー以外のボジョレーを生産している生産者のエントリーワインの価格」が目安となります。

例えばジョルジュ・デュブッフのアマゾン取扱ワインを見れば一目瞭然(こちら)。

おそらくイベント価格でなければ「半値」でも赤字になることはないでしょう(大手インポーターに関しては)。

そういった意味で私が毎年解禁日に飲むJPシェネはカウチパックの飲みきりサイズなので、通常ワインと150円ほどしか差がありません。150円でイベント気分が味わえるなら安いものだと割り切りできます。

その一方で、ボジョレー・ヌーボーは庶民と貴族が唯一同じ土俵に立てるチャンスでもあります。ボジョレー・ヌーボーは新酒です。グッドビンテージや熟成なんて差はありません。貴族も庶民も今年は2024年のワインを飲むことになります。

1級畑や特級畑なんてものもありません。せいぜい同生産者で3種類ぐらいです。

つまり、庶民が少し背伸びすれば貴族と同じワインが飲めるのです。

今回のワイン「ルー・デュモン」なんて普段は見向きもできないです。

神様、アンリ・ジャイエが認めた日本人醸造家仲田晃司。もちろんエントリーレンジもあるのだけれども、ノーマルのブルゴーニュ・ルージュで約6千円。貴族が飲むような特級なんてものになると3万円超え、というか目付けしていないと売り切れます。

そう考えると孫正義さんや三木谷浩史さんでも、ルー・デュモンのボジョレー・ヌーボーを飲むとなるとこのワインになるのです。

とはいえ、5千円近くなると他のワインが選択肢に入ります。

解禁日に飲む5千円ボジョレー・ヌーボーと5千円のノットヌーボーなら明らかに後者のほうが美味しいからです。

しかし、私は知っています。いや、みなさんも既にお気づきでしょう。

クリスマスの翌日にクリスマスツリーが安くなるように、ボジョレー・ヌーボーも解禁日をすぎると目立つ売り場から隅っこの方に追いやられることを。

事実、このワインも12月には3割引のシールが貼られワゴンセールコーナーに移動していました。その瞬間、ワインをもってレジに並びました。しかし、その待ち時間に電卓をタタキました。

「5000×0.7=3,500円」

そっと棚に戻しました。

楽天スーパーセールを振り返ってみてください。

3500円あれば、2万円を超えるワインを手に入れるチャンスだってあるのです。

3500円で5千円はまだ弱い。

その時ワゴンに5本あったのですが、ほぼ毎日在庫をチェックし、売れ行きを確認。

流石にラスト1本とかになったら買おうと思っていたのですが、動かない在庫。

見切り品ハンターとしては、閉店間際の攻防戦を日をまたいでやっている感じです。

そして時は来た。

解禁日から約1ヶ月、ついに半額シールが貼られたではないか。

幸いにもラスト1本だったので、他のライバル達も目付けしていたのは一目瞭然。

まさに戦いに勝利した瞬間です。

購入価格2475円。

決して安い買い物ではないのだけれども、貴族のワイン愛好家達が飲んでいるようなワインを2500円以下で飲めるのです。

そういった意味で美味しさは約束されています。

なんせ神様も認めた男のワインです。適当なものは世に出さんでしょう。

実際に抜栓直後の1杯目からピークで美味しいです。

ボジョレー・ヌーボーってこんなに旨いんやってなります。

もちろん気持ちを高めていたということもありますし、5千円で買って飲んでいたら後悔していたかもしれません。

そういった物語込みで凄まじく美味しく感じます。

冷静になって日をまたいで飲もうと小瓶に移していましたが、結局飲み足りずに1本飲み干しました。飲みだしたら止まらないやつです。

半値で買えるかどうかは「運」の要素もあるのだけれども、販売店やライバルたちとの戦いでもあります。

一般庶民の皆様へ。来年は、しっかり近所の売り場を分析して、ボジョレー・ヌーボー「真の解禁日」を私とともに楽しみましょう。(今ネットで買える価格はこちら

本日の組み合わせ

庶民のワインランク(詳細

今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ Grape Japan 合同会社 CEO ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com