極論ワインの表現なんて
「リアルに嗅いだことのない香りを、いかに嗅いだことがあるように説得させるか。」
例えば、「このワインどんな香り?」と質問されて、
「カシスや黒系果実。かすかにスミレのニュアンスが含まれます。」
なんて聞こえは良いですが、
「じゃ、カシスってどんな香り?」
て突っ込まれて、上手く答えれるかと問われれば、否。
その理由としては、「本物のカシスを嗅いだことがないから」に尽きるかと。
しかも、正式なワインの表現は「現地での香りを表している」らしい、、
すなわち、イタリアのフルーツだったり、フランスの花の香りが、正式な元ネタであるということ。
つまりはですね、偉そうにワインコメントなんかしちゃってる人も総じて知ったかぶりで誤魔化しておるのです。
特に、権威ある人間が「発言した表現」は受け入れやすく、資格や記号がない人間が「発言した表現」は否定されやすいのである事実を踏まえると、なんだかなぁ、と思ってしまうのである。
この本は、そんな当研究所の悩みを解決すべく、ワインで表現されている代表的な香りを「アロマカード」で再現できるのであります。
本自体は薄っぺらく、とても4千円オーバーとは言い難いですが、
と比べると破格中の破格。
そして、冒頭で述べた、「カシスとはなんぞや」を上手く説明できる根拠が学べるのです。
ソムリエやワインエキスパート を目指される方は、二次試験対策になるのはもちろんですが、一般ワイン愛好家でも、ワイン販売会社が説明してくれている香りが本当に存在するのかどうかの答え合わせができる優秀なツールです。
たまに存在するワインの本で、「単独著者が書いた、独りよがりな偏見本」なんて少なくないですが、本書の優れているところは、ワイン界隈の精鋭5人の共同制作。各分野のスペシャリスト達が、庶民にとっても分かりやすく説明してくれているので、信憑性抜群。
- 東大教授
- ジャーナリスト
- 醸造士
- ワイナリーオーナー
- 国際テイスター
なんか、戦隊モノみたいっすね。散々、権威についてディスっておきながら、私が一番権威に屈しているかも(^◇^;)