ヨーゼフ・ビファー ゼクトハウス ロゼ ブリュットNV
Josef Biffar Sekthous Rose Brut NV
参考小売価格:3000円
産地:ドイツ
品種: シュペートブルグンダー
購入元:ウメムラ(楽天)
インポーター:株式会社徳岡
楽天スーパーセールで購入した「ウメムラ福袋」から今回取り上げるのは、セットの中で最もリーズナブルな1本。もっとも、定価三千円、実勢価格でも二千円と、私にとってはじゅうぶん“高級”な部類です。
とはいえ、6本で二万二千円というラインナップの中では、やや脇役感は否めません。が、そこはワイン愛好家から絶大な信頼を得ているウメムラさん。こうした価格帯のワイン選定にも説得力があるのは間違いないでしょう。
ラベルを眺めつつ調べてみると、なんとドイツ産で「日本人女性醸造家が手掛けるワイン」とのこと。俄然、期待が高まります。
【ヨーゼフ・ビファー醸造所】
その歴史は一八七九年にさかのぼります。フランス・リヨン出身のアダム・ビファー氏が設立した由緒ある醸造所で、建物自体が文化遺産に登録されているほどの重みがあります。さらに、有機栽培を早期に取り入れるなど、品質へのこだわりも際立っていました。
しかし、二〇一〇年に後継者不在のため一度は廃業の危機に。その折に手を差し伸べたのが、老舗「ライヒスラート・フォン・ブール」の日本人オーナーの娘さん、徳岡史子さん。彼女は自らのワインを熟成させる場所を求めていた折に、ビファー家との出会いが実現。情熱が通じ合い、やがて伝統継承を担うまでに至ったという背景があります。
徳岡史子さん——そういえば、どこかの記事かエックス(旧Twitter)のポストで見かけた記憶があるような、ないような……。普段、高価なワインとはなかなか縁遠い身としては、このあたりの生産者情報に疎いのはどうぞご容赦ください。
そんな物語を知ったうえで、期待値は自然と高まります。
グラスを傾けると、香りが胸元の位置でもふわりと漂ってきます。まさに心地よいお花畑。さくらんぼ、いちご、ドライフルーツ、ナッツのニュアンスに加えて、シャンパーニュを思わせるイースト香も。泡立ちはきめ細かく、感覚的には3気圧程度の優しいタッチ。
そして一口。——これは間違いなく、2025年上半期ベストワイン候補です。
既視感のない新鮮な味わいなのに、どこか馴染み深い。そのギャップが印象的。
はっきりと「これはシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)だ」と感じられるロゼワインに出会ったのは、おそらく初めてかもしれません。ましてやスパークリングでこの輪郭の明確さは珍しい。
雰囲気的には4千円クラスのシュペートブルグンダーに匹敵するクオリティ。
さすがウメムラさんが選ぶ一本。次なるワインへの期待も大いに膨らみました。
本日の組み合わせ
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Sランク (24年3月より基準改定)
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