アンリ・エーラール ロゼ レゼルヴ・エスティヴァル
Henri Ehrhart Rosé Réserve Estivale
参考小売価格:2000円ぐらい
産地:アルザス
品種: ピノ・ノワール
購入元:カルディ
インポーター:オーバーシーズ
カルディの棚のすみで、思わず二度見した一本。
フランス・アルザス地方のロゼワインが、なんと2,000円を切っていました。
アルザスといえば、白の印象が強く、しかも2,000円以下で出会えること自体が稀。
それがピノ・ノワールのロゼとなると、もはや“奇跡”といっていいレベルです。
ドイツワインの世界にどっぷり浸かっていたこの頃ですが、この価格と希少性には逆らえず、久々にアルザスへと心を戻してみました。
グラスに注いだ瞬間、オレンジのニュアンスが漂う
色調は「ロゼピンク」というより、むしろ淡いオレンジ寄り。
その色合いに呼応するように、香りにはみかんの皮を思わせる柑橘のほろ苦さが感じられます。
さくらんぼの果肉、ぶどうの種のような渋み、そして貝殻を連想させるミネラルの気配。
一瞬で“海風を浴びる果実”のような印象が立ち上がります。
グレープフルーツの苦味、そして温度とともにほどける甘み
口に含むとまず、酸味と苦味がぐっと主張。
グレープフルーツをかじったようなキュッとした印象が第一印象として残ります。
しかし温度が上がるにつれて、ほのかな甘みが顔を出し、表情が柔らかく変化していきます。
冷たいときのストイックさと、ぬるんだときの優しさ——その対比が妙に人間くさい一本です。
“理解者”にはコスパ最高、“初心者”には衝撃的な一本
ワインに飲み慣れた人なら、価格以上の価値を感じるはず。
アルザスのロゼという珍しさも含めて、知的好奇心を満たしてくれます。
一方で、酸味と苦味が立ったスタイルは、慣れていない人にはややハードルが高いかもしれません。
“お茶代わりに飲む食中ロゼ”として割り切るのが、このワインのいちばん幸せな楽しみ方です。