グラン ベロ ボルドー ルージュ 2021 フレデリック ベロ
GRAND BELLOT BORDEAUX ROUGE 2021
参考小売価格:1408円
産地:ボルドー
品種: メルロー80%、カベルネ ソーヴィニヨン10%、カベルネ フラン10%
購入元:CAVE de L NAOTAKA(楽天)
インポーター:株式会社都光
ワイン愛好家の中で悪名高きワイン、それは「金賞ボルドー」。
何処の何の金賞かわからないシールがボトルにペタペタはられており、一体何種類の金賞が存在するかわからないほど。そして、千円台で売られているボルドーには高確率でその金賞シールがはられており、権威性や希少性が全く感じられないのであります。
そんな金賞ボルドーがなぜ嫌われるかと言うと、「初心者が買って失望する」という点につきます。
おそらく「まずはボルドーとブルゴーニュの違いを理解せよ」と教科書的なもので学ぶのでしょう。しかしブルゴーニュワインは一般庶民のワイン初心者にとって購入に勇気がいる価格。その点、ボルドーは千円以下でも買えるので、そっちに走ってしまうわけです。
一般的に安いワインは個性を出して作るよりも、大量に同じ味のワインを作ることが優先されます。
なので、メディアや雑誌媒体できらびやかに表現されているボルドーワインと、初心者が「ボルドーだからという点だけに焦点を絞って購入した金賞ボルドー」では味に開きが出てしまうのです。
しかし、庶民のワイン研究所が新たに提唱する「シン・金賞ボルドーの考え方」は違います。
そもそも、ボルドー地方で生産されているワインは500万hlを超えています。ブルゴーニュやシャンパーニュが200万hlも到達していないことを考えると、その規模感がイメージしやすいと思います。日本なんてせいぜい16万hl(2018年)ですからね。
つまり何が言いたいのか。
格付けボルドーやメディアに登場する綺羅びやかなボルドーワインが特別であって、本来スタンダードとするべきボルドーワインが「金賞ボルドー」なのではないでしょうか。
曲がりなりにも「AOCボルドー」と冠づけられていますし、それは紛い物でもなく、正真正銘のボルドーワイン。カジュアルに飲めるものを大量に造ってくれてるボルドーありがとう!ってことなのです。
あとは飲み手のリテラシーを高めていけばよいだけのこと。
すべての金賞ボルドーを一括にするのではなく、信頼できる輸入元が日本に仕入れてきた「金賞ボルドー」を飲めばよいのです。とは言え、「全部金賞ボルドー12本セット」なんかを選べば中には首をかしげるものも含まれる可能性があります。
なので、「いろんな産地がミックスになっている金賞ボルドー」を愉しめばよいのです。
輸入するときのバイヤーからの基準をクリアーし、数多いラインナップからセットになる狭き門をくぐり抜けた金賞ボルドー。
このワインがまさにそんな金賞ボルドー。令和の飲むべき金賞ボルドーとでもいいましょうか、「ワンランク上の上質ワインを集めたお得なプレミアムセット」と謳っているからには適当なボルドーを選ばないでしょう。
少なくとも熟練のセット企画者が合格をだした金賞ボルドーです。実際の生産者ページを見てもしっかり情報は作り込まれてます。
元シャトー・オー・ブリオンの醸造家が手掛けただとか、ほぼトリプル金賞だとか、気持ちを高めてくれる文言は並の金賞ボルドーより多いです。
普段はそういった気持を高めてから飲むのですが、今回は情報を見る前に飲みました。
恐る恐るだったので、エアレーションポアラを利用し、万全の状態でテイスティング。
ボトルに指すだけで大量の空気を含ませるので、一気に「開く」とされます。
気持ちの問題、ブラセボ効果、そういった作用かもしれませんが、普通に飲むより確実に美味しくなることは間違いありません。
この日一口目はすっぱ渋いと顔を歪めましたが、2杯目以降はグラスが手から離れません。
メルロー主体だからか、なめらかでシルキー。スイスイ、グビグビ飲めるのにしっかりボルドーのエキスも入っています。
なんと3杯目以降は30分で完飲。ステーキとのペアリングも相まってか異常なスピードで飲み終えてしまう美味しさでしたよ。
本日の組み合わせ
庶民のワインランク(詳細)
今回のワインは:Bランク
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