以前紹介した「ワインの新スタンダード」の著者である石田博ソムリエの人気本です。
タイトルから察すると、初心者的な読み物に感じますが、ソムリエやエキスパートレベルの人たちでも、
「品種の特性を詳しく説明してください。それも10種類!」
みたいな質問に、どれぐらい明確に答えれるでしょうか。
かくゆう私も「今更代表品種の勉強なんていらねーよ。」なんて、思っておりましたが、直近のワイン会(8/20)と(8/21)で、大恥かいたこともあり、初心に帰るつもりで読んでみました。
本書で登場する10種類の品種は、
- シャルドネ
- リースリング
- ソーヴィニオンブラン
- シュナンブラン
- 甲州
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- メルロー
- ピノ・ノワール
- シラー
- グルナッシュ
まぁ、ドが付くほど定番ですわね。
でも、甲州をソーヴィニオンブランと間違えたり、メルロとカベルネ・ソーヴィニヨンの違いを明確に理解できてなかったり、定番でもそう簡単でないのがワイン。
特に、ピノ・ノワール愛飲家として、コカコーラより数を飲んでいるにも関わらず、「ガメイ」や「マスカットベリーA」と明確なテイストに違いを説明できないところを思うと、初心者本を侮ってはいけないはないでしょう。
すなわち、「研究所」と看板あげているからには、定期的な基礎の見直しは必須。常に飲んでる感想だけなら、「貧乏人の家飲みワイン日記」たるブログのタイトルで良いわけですから。
さて、遅くなりました、この本の感想です。
各品種の説明の流れは
- 品種のテクニカルデーター
- 歴史やトリビア
- 品種特性(外観、香り、味わい)
- 著者体験談、
- 代表的生産者
- 飲み方と食事との合わせ方
- コラム
となっております。
各項目ダラけることなく、「良いさじ加減」で掘り下げて説明してくれてるので、好感触です。
興味が湧きづらいウンチクがあると、読んでいて眠たくなることが多いですが、適度に読者を飽きさせない工夫が散りばめられておりますよ。
その工夫とは、著者の体験談や失敗談が1品種の説明で1回はあること。
成功体験や自慢話は読んでいて気分を害することが多いのですが、失敗談のようなチャーミングなエピソードを組み込んでいることによって、親近感が湧いてきます。
まぁ、品種の説明だけだと、「ソムリエ教本」や「テイスティングBOOK」と代わり映えしないので、当然と言われれば当然なのですが、、、
本を読む習慣がない人でも、その日飲む品種を読むだけで、味わいは変わります。また、見識が深まることによって、よりワインの楽しさを理解できるようになるので「ワイン飲みは一家に一冊」置いておくべし。
また、ソムリエやエキスパートの人でも、「上手に人に教える」技術が身に付くので、買って「なんや、知ってることばっかりやんけ!」なんて思うことはないですよ。