トゥーレーヌ アングル ドロワ 2022
TOURAINE ANGLE DROIT
参考小売価格:2999円
産地:トゥーレーヌ
品種: ソーヴィニヨン・ブラン
購入元:リカオー店頭
インポーター:ルミノ・ヴィーノ
今月は、リカオーのセールで手に入れたロワールワインを集中的に試飲し、コンクール対策として感覚を研ぎ澄ませていく月間と位置づけています。
テーマはソーヴィニヨン・ブランの価格別飲み比べ。
無印ロワール(2,000円)に続き、今回はトゥーレーヌ産の3,000円クラスの1本を取り上げます。ちなみに、同生産者の4,000円クラスも後日比較する予定です。
このワインの生産地である**トゥーレーヌ(Touraine)**は、ロワール地方の中でもやや広域に分類されるAOC。
ブルゴーニュに喩えるなら、マコンに近い位置づけでしょうか。無印のロワールと比較すると原産地の指定範囲が狭まり、テロワールの個性がより意識されるステージに入ってきます。
グラスに注ぐと、まず目を引くのはその色調。3本の中ではもっとも濃く、黄みが強く出ており、視覚的にもリッチな印象を与えます。
粘性は中程度ながら、グラスのディスクは厚めで、ソーヴィニヨン・ブランとしては骨格のしっかりしたタイプ。
アルコール度数は13.0%と中庸ですが、バランスの良さがすでに見えてきます。
香りは典型的なグレープフルーツ系ですが、単なる果実の甘酸っぱさではありません。
果皮や種子のようなビターなニュアンスも含まれており、多層的な柑橘の香りとしてまとまりを見せています。
口に含むと、アタックは穏やか。
しかしその後すぐに、私の好みにドンピシャな「苦くて辛い」骨格が姿を現します。果実味の密度も高く、アロマとパラレルな芳醇さがあり、余韻も長く、完成度の高さを実感しました。
そしてここで素直な感想を述べるなら、同生産者の4,000円クラスのワインより、私はこの3,000円のほうが好みでした。
もちろん、味の評価は主観ですし、価格が味に完全に比例するわけでもありません。
しかし、たった1,000円の差=ワイン1本分。この選択に悩まされることがあるのも、ワインの奥深さであり、シビアさでもあります。
「ワインは庶民の飲み物」と信じてきた自分にとっても、このあたりの価格帯に入ってくると、“美味しい”のための投資とは何かをあらためて考えさせられます。
……と、今さらながら痛感した一本でもありました。
本日の組み合わせ
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定)
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