プロヴァンスの贈りもの
タイトルやジャケットから察するに、純愛系のほのぼのした物語を予想しておりましたが、良い意味で期待を裏切ってくれました。
舞台はフランスとイギリスですが、実はこれ「アメリカ制作」。
アメリカ映画の典型的な「疾走感のあるテンポがよい物語進行。」
上がって、落として、最後ハッピーエンドのお約束パーターンで、終始安心して楽しめます。
もちろん、ワインの小ネタも満載なので、ワイン好きが観ると、随所に「クスクスポイント」が散りばめられていますよ。
あらすじ
フランスのとあるシャトー。おじいさんが2本のボトルを子どもにみせ、問いかける。
「どっちがいい?」
「バンドール!」
「なかなかセンスが良いな。」
ワインをなみなみと注がれるグラスと、半分だけ注がれるグラス。
おじいさんはその半分ワインが入ったグラスに水で薄めようとするが、子どもはそれを手で振り払う。
この冒頭のシーンでは、天才ワイン少年のサクセスストーリーをイメージしておりましたが、その予想は次のシーンで完全に変わります。
「買いだ!、買いだ!、買いだ!、買いだ!」
舞台はイギリス大手証券取引所、素朴な少年の面影なく、主人公は有能な為替ディーラーとなっていたのだ。
コンプライアンスぎりぎりの強引な手法で、敵も少なくない主人公に、突然一通の手紙が。
「私のワイナリーを君に託す。」
そう、それは冒頭で出てきたおじいいさん。主人公はおじいさんの甥っ子で、ワイナリーを相続することになったのだ。
しかし非情にも彼は、そんなワイナリーを即売りし、現金に変えようと試みます。現地に行き、シャトーを綺麗に魅せよう画策しますが、当時の思い出が押し寄せき、心が揺らいできます。
そして、そこで出会う個性あふれる登場人物たちが物語を盛り上げます。
- ワイナリーで働くことに執着する、無能な古株従業員。
- おじいさんの隠し子だと主張する、財産目当て?のアメリカ娘。
- 近所のレストランで働く、気の強いお姉さん。
- シャトーを高売りさせるアドバイスをする友人の不動産屋
- 主人公を会社へ呼び戻したい美人秘書
なんか、ドロドロした話になりそうでしたが、本当はみんな良い人。
自分の欲望より、他人を思いやる気持ち。そんなメッセージが詰まった心温まる映画でした。
ギャグ要素は以前紹介した「サイドウェイズ」が格段に上ですが、物語自体はこちらの方が好きかも。
未だ一度しか視聴していないので、やや駆け足のレビューになってしまいましたが、再視聴した時に、もっと掘り下げた内容に更新しますね。