ジュヴレ シャンベルタン プルミエ クリュ ポワスノ 2013 アンベール フレール
Humbert Freres Gevrey Chambertin 1er cru poissenot Rouge
参考小売価格:19980円
産地:フランス/ブルゴーニュ/ジュブレ・シャンベルタン/ポワスノ
品種: ピノ・ノワール
購入元:CAVE de L NAOTAKA(楽天)
インポーター:株式会社都光
ポッドキャストの配信エピソードで好きな生産者リストにONした「アンベール フレール」。
放送では、アンベール フレールの全種類全部買いますなんて粋がっておりましたが、いざランナップを見てみると種類の多さとお値段に怯んでおりました。
しかし、あそこまで強く宣言したのなら1本ぐらいは買う義務があると感じました。
選んだのは過去に自分が購入したワインで最高額。
グラス1杯15000円とか1万円とか、外食先で飲んだボトル価格はもうちょい上なんですけど、フルボトル1本を自分用、「自分だけが飲む用」では過去最高の2万円ワインです。
娘氏の誕生日ビンテージですし、本当はもっと寝かせてから飲みたいって思いがありましたが、いつ死ぬかわからないと思うと早く経験しておきたくなってきましたのです(ただの飲みたい口実)。
そしてなんと言ってもこの日は自分の生誕日。特別な日だからって特別なワインを飲む必要はないってスタンスでしたが、年老いてくると、何かしら記憶に残ることをしたくなってくるわけです。絶対に外せない日に、絶対間違いのワインを飲んで祝ってみました。
まずコルクの状態から確認。ブショネなしで第一関門はクリア。9年熟成ですが、しっかり経年変化が伺えます。
グラスに注いでみると、「いい色出てるやん。」と思わず( ̄ー ̄)ニヤリ
オレンジっぽいグラデーションができていて飲み頃の雰囲気を出しておりました。
香りはあえて取らなくてもグラスから自然と漂ってきます。
コート・ドールを頂いたときに感じた生ハムの獣的要素は、このクラスなると謙虚に出ており、グラス一杯でフルコース料理を堪能してるかのごとく、香りの変化を楽しめます。
そんな香りを楽しんでいると、思わずすぐに口につけたくなりました。空腹で目の前に焼き肉焼いている感じです。
しかし、高級ワインは開かせるためにある程度の時間は落ち着かせるのが定説。
そうなると一口目に感じるのは、酸っぱさ、渋さ、硬さと若さ。
2万円で「経験、経験」っと自己暗示を掛けながら生産者情報とTwitterを見ながら気持ちを落ち着かせます。
その間はグラスをくるくる、合間に色調を確認してうっとり。
そうです、高級ワインは香りが値段の半分と言われているほど、香りが良いのです。人間だってそうじゃないですか。魅力的な人は外観と匂いがいい。そして、そんな人ってずっと見てたり近くにいるだけで胸がときめくでしょ。
そこからゆっくり40分かけて一杯のグラスを堪能。この感覚がデフォになるとイケ好かないワイン痛になってしまう自分が怖い。
オーケストラの指揮の違いとか、絵画の裏テーマとかそれぞれのジャンルにて解像度は求められますが、ワインでもそれは同じこと。
ブルゴーニュ愛飲家がみえている世界が8Kなら、私はせいぜい480p程度。
これがHD、4Kと階段をのぼることで、値段なりの哲学がみえてくるんだろうと、自分の理解力の低さに悔しさが出てきます(畑の違いだとか、生産者の違いを言語化できない)。
実際にこの1本を飲んでいるだけで物凄く頭を使いました。思考を止めて飲むのは箱ワインで十分ですが、特別な日を記憶に留めるなら投資は必要であると学びましたね。
正直な所、2万円だと田舎のワインバーで特別な夜を過ごせる金額ではあります。しかし、信頼する生産者、信頼できる販売店を通じて高いワインを買うという経験は、自分のコンフォートゾーンを破る上でも必要不可欠な行為だったと感じます。
実際38歳という平凡な誕生年を、初めて2万円のワインを買って一人で飲んだ記憶は一生に残ると思います。死ぬ前にフラッシュバックされる思い出なのかもしれません。
ワイン選びからのストーリーを通じて楽しませてくれたワインでしたよ。
本日の組み合わせ
土佐和牛を塩コショウのみで🍷#貴族の晩酌 pic.twitter.com/HySHDCvg3B
— 庶民のワイン研究所🍷箱ワイン伝道師🍷ワインの授業(Podcast) (@taigakunwine) August 16, 2022
庶民のワインランク(詳細)
S 品種特性が理解できる、値段も割安
A 好みはあれどイチオシ
B 定価で買ってても満足
C 購入価格的には満足
D もう少し安く購入できていれば納得
E 味わいの満足感に対して割高な値付け
F 値段の問題ではなく、単純に好みじゃない
今回のワインは庶民の特別日用として:Bランク 、貴族のワインならSかもしれない。
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