ワイン界隈のニューエイジ達が必ず通ったであろうバイブル「ワイン一年生」の続編が登場しておりました。
タイトルは変わらず「ワイン一年生」のままですが、サブタイに2時間目と題してるあたり、一年生を卒業することの難しさを著者自身が感じているのではないかと推測しております。
知れば知るほど無知を知るワインの世界。今回はチーズがテーマのようなので発売を心待ちにしておりました。
まず前書きから著者のユーモア節全開で、読者に語りかけてくる庶民的目線は、読んでいて心地よいです。
なんだか優しい先輩と、楽しい時間を過ごさせてもらえているようなやつです。
普段は第三のビールを飲んでいる庶民的な金銭感覚を持っている著者故に、初めは海外チーズなんて高いって感じていたのですが、コンテ18ヶ月熟成の衝撃に襲われ開眼。
そして、
「ワイン×チーズ」以上に簡単に手に入る快楽を、これぐらいの金額で味わえるなら全然ありと仰っております。
そんなチーズの世界を、おなじみの個性豊かで親しみやすいキャラクター達と学んでいくことができ、ワインとの完璧な組み合わせまで知ることができるのは願ったり叶ったりですよね。
本書の構成
- チーズの基本
- 軽めの赤に合うチーズ10種
- すっきり白に合うチーズ12種
- ミディアムあかに合うチーズ13種
- こくのある白ワインに合うチーズ13種
- 重めの赤に合うチーズ12種
- 甘口白ワインに合うチーズ3種
- スパークリングワインに合うチーズ8種
となっています。
各チーズは、擬態化されたキャラ達によって味わいのイメージが出来る事に加え、著者のユニークで美味しそうな表現にはヨダレが止まりません。
絵柄的に内容のカジュアルさをイメージされるかも知れませんが、しっかりとチーズの基本データーも網羅でき、ソムリエ試験レベルのチーズ知識は本書のみで補完できます。
各チーズごとにページを割り当てられている4コマ漫画的な部分には、好き嫌いが分かれるところですが、そのページを割引いてでもお値段なりの価値はこの本にありますよ。
巻末の参考文献でチーズの本が6冊紹介されており、私自身何冊か読んだ事ありますが、本書ではそれらの内容がうまく凝縮できているので、チーズのとっかかりとして、この本の右に出る本は今後出てくるのは難しいのではないかとさえ思えます。
すでにチーズの知識がある程度ある人にとっては、今更感がある内容かもしれません。しかし、そんな人たちでも全てのチーズを完全に把握してるとはいいがたいのではないでしょうか。
そんなアッパー層でも、キンドルの目次機能を駆使することにより、お目当てチーズのページに瞬間移動出来ることは、お買い物中の辞書引き的な意味合いで重宝できますよ。