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フランス/ブルゴーニュ地方

JPシェネで迎える解禁日。2025年のボジョレーヌーボーは意外な深さがあった

J.P.シェネ ボージョレ ヌーヴォー 2025

J.P. Chenet Beaujolais Nouveau.2025

参考小売価格:550円ぐらい

産地:ボジョレー地区

品種: ガメイ

購入元:ローカルスーパー

インポーター:カルベジャパン株式会社

本日は11月の第3木曜日。ボジョレーヌーボーの解禁日ということで、今年もJPシェネを開けた。解禁日に必ず飲むワインとして、もう完全に定番になっている。

なぜ毎年この生産者なのか。理由は単純で、解禁日のヌーボーは航空便で日本に届くため、普段のワインより体感で倍近く割高になる。その一方で、1ヶ月遅れの船便ヌーボーや年明けの売れ残りは驚くほど安くなる。ワイン好きとしてイベントの空気は楽しみたいが、解禁日価格のフルボトルに手を伸ばす気分にはなりにくい。そこで小容量のカウチパックで、祭りの空気だけしっかり味わえるJPシェネがちょうど良い立ち位置にある。しかも、このワインは早いと1週間ほどで棚から消えるので、本当に解禁日のためのワインという印象さえある。

ここで簡単に触れておくと、ボジョレーヌーボーとはフランスのブルゴーニュ南部ボジョレー地区で造られるガメイ種の新酒で、毎年11月の第3木曜日に世界同時解禁されるワインのことを指す。ガメイは果実味が明るく、薄赤系のベリー香が出やすい品種で、ヌーボーではマセラシオン・カルボニックと呼ばれる醸造法が使われ、軽やかでキャンディーのような香りや柔らかい口当たりが出やすい。いわゆる“若さ”を楽しむワインで、保存して変化を追うタイプではない。

今年のJPシェネは、その若々しさの軸はしっかり持ちながら、例年とは少し違うニュアンスがあった。色調は明るく、瑞々しい印象が強い。香りはいちごキャンディーが主張するが、今年は軽やかさだけでなく、奥行きがある。バニラ寄りの甘やかな香りがかすかに混ざり、全体の香調に柔らかい陰影が付く。味わいも同様で、毎年感じるジュース的な軽さが控えめになり、酸味とタンニンにしっかり輪郭がある。甘ったるいヌーボーが苦手な人や酸味の立った赤ワインが好きな人には、今年のスタイルが刺さると思う。こうやって書いていると、毎年同じことを言っている気もするが、それでも今年は違うという感覚が残る。

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com