ブルグイユ ルージュ ビオ コクリコ
BOURGUEIL ROUGE BIO COQ’LICOT
参考小売価格:2999円
産地:ロワール、ブルグイユ
品種: カベルネ・フラン
購入元:リカオー店頭
インポーター:ルミノ・ヴィーノ
カベルネ・フランを知る上で外せないのが、ロワール渓谷中部。中でも今回取り上げる「ブルグイユ(Bourgueil)」は、シノンのすぐ隣にありながら、やや知名度で損をしている印象があります。
理由は単純。「ブルグイユ」という名称がちょっと覚えにくいのです。字面も音も、シノンのようにスッとは入ってこない。でも実際に飲んでみれば、それはまぎれもないカベルネ・フランの銘醸地。シノンと並ぶロワールの“二枚看板”といっても過言ではありません。
協同組合が支えるブルグイユの現在地
今回の造り手は、2021年に7つのセラーが連携して誕生した協同組合「アリアンス・ロワール」。ロワール渓谷の広域にわたってブドウ栽培と醸造を行うリーダー的存在であり、有機農法や生態系への配慮にも熱心な生産者です。
環境保全を前提としたワイン造りは、どこかこのワインの味にも表れているように思います。
テイスティング:ヨーグルト香と滑らかさが織りなす余韻
香りでまず印象的なのが、ヨーグルトのような乳酸系のニュアンス。ちょっと意外ですが、これはブルグイユに限らず、ロワールのカベルネ・フランでたまに出会う香り。
ボジョレー的なチャーミングさも少し感じつつ、でも味わいはしっかり大人。ピーマン的な青さはほぼ感じられず、その代わりにブラックチェリーやスパイス、胡椒のような刺激がアクセントになっています。
口当たりは非常になめらかで、酸と果実のバランスが心地よい。タンニンも主張しすぎず、全体として“穏やかに飲み進められる赤ワイン”という印象です。
シノンとの違いを感じながら
同価格帯・同品種・隣接エリアでありながら、ブルグイユはシノンに比べて「若さ」「明るさ」「果実感」が前に出ています。熟成したシノンが“陰”なら、ブルグイユは“陽”。ピーマン香の有無というよりも、飲んだときのムードが違うのです。
総評
ブルグイユは、優しくて、飲み手に寄り添ってくれるような赤ワインでした。シノンのような複雑さは控えめながら、心地よい酸と香りの立体感が印象的。ピーマンを探すよりも、この“滑らかさ”と“穏やかさ”を楽しむべき一本です。
本日の組み合わせ
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定)
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