プイィ フュメ レ ヴィーニュ ド サン ローラン ラベイ
POUILLY FUME LES VIGNES DE ST LAURENT L’ABBAYE
参考小売価格:3999円
産地:プイィ・フュメ
品種: ソーヴィニヨン・ブラン
購入元:リカオー(店頭)
インポーター:ルミノ・ヴィーノ
前回に続き、ロワール地方を代表するソーヴィニヨン・ブランの比較試飲。今回はフランス白ワインの銘醸地として名高い“サンセール”と“プイィ・フュメ”という、いわば教科書に登場する村名クラス同士の真っ向勝負です。もはや「贅沢な勉強」と呼ばざるを得ません。
ワインを体系的に学ぼうとすると、必ず行き当たる壁があります。それは、「基本を知るにはお金がかかる」という事実。教本に載っている代表的な産地や品種をすべて実際に飲んで体験するには、相応の覚悟と投資が求められます。今回の一本、プイィ・フュメは定価で4,000円超。高価な部類ではないとはいえ、日常酒として手に取るには一瞬躊躇してしまう価格帯です。
さて、グラスに注いだ瞬間から漂うのは、清涼感のあるハーブのアロマとグレープフルーツのような柑橘香。その奥に、火打ち石を擦ったようなミネラル香が静かに立ち上ります。味わいはシャープかつドライ。苦みと塩味が複雑に交差し、厚みのあるボディがどっしりと舌の上に広がります。
空腹の状態で飲んだこともあってか、飲み込む際に喉を伝うワインの熱が心地よく、アルコール度数13.5%の重さをはっきりと感じました。ただし、それが突出することはなく、全体に見事に調和しています。
飲み方も変わってきます。ただの“液体を飲む”というより、口の中でそっと転がし、舌全体に風味を行き渡らせるようなイメージ。クチュクチュと音を立てたり、ペチャペチャと舌を動かすことさえ、香りの探求の一環に感じられるのです。いわば、液体という形をした“香りの芸術”と対話するようなひととき──まさに、エレガントの極み。
次回はサンセールとの比較に入りたいと思います。果たしてどちらが、ソーヴィニヨン・ブランの本質に迫っているのか。味覚と記憶を総動員して臨みたいと思います。
本日の組み合わせ
食後の追い込みワイン
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定)
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