60 ノヴェチェント / ランブルスコ・グラスバロッサ Ⅱ カステロヴェトロ DOP
参考小売価格:1000円ぐらい
産地:エミリア・ロマーニャ
品種: ランブルスコ
購入元:Amazon
インポーター:ワインキュレーション
Amazonセールで、ほぼタダ同然(なんと送料無料)で手に入れた一本のワインがある。
それが、イタリア産の赤のスパークリングワイン「ランブルスコ」。
一部の人からは「ジュースじゃん」と一蹴されることもあるこのワイン。実のところ私自身も、つい最近まではそうした軽い印象を拭えずにいた。甘口も辛口も存在するが、たとえ辛口を選んでもどこか甘やかで、ワインというより“甘酸っぱさのある炭酸飲料”といった趣さえある。
さて、そんなランブルスコを本日の晩酌に抜栓した理由は、夕飯が回鍋肉だったから。
味噌と砂糖が効いた甘辛い味付けの料理に対して、ランブルスコのスッキリとした発泡と控えめな甘みが、口内をリセットしつつ、余韻で再び寄り添う。そうした“相殺と調和”の両立を目論んでのペアリングである。
グラスに注ぐと、まず香りは…ほぼない。冷やしすぎたのかもしれない。だが、これくらいキリッと冷やさなければ、この手のランブルスコは甘ったるく弛緩してしまう。
外観はやや濁りがあり、「濃そう」に見えるが、実際はそこまで重たくない。むしろ、第一印象は“シュワッと酸っぱい”。さらに、ほろ苦さと微かなエグみが追いかけてくる。
――ん?
これは今までのランブルスコと、明らかに一線を画している。
一般的に“どれを飲んでも似たり寄ったり”という印象を抱きがちなランブルスコにおいて、ここまでキャラクターが立っているものは珍しい。クセもあるが、それが良い。むしろ、予定調和なワインに飽きた私にとって、この“曲者感”こそが最大の魅力だった。
残念ながら現在は終売中だが、またAmazonで復活した暁には、ぜひ再会したいと思える一本である。ジュースだと思って侮っていた過去の自分に、「こいつは違うぞ」と教えてやりたい。