キルカ シャルドネ
KILLKA CHARDONNAY
参考小売価格:1000円ぐらい
産地:アルゼンチン
品種: シャルドネ
購入元:Amazon
インポーター:
食料庫の奥から、静かに時を超えたクリームチーズのパスタソースが発掘されました。賞味期限はすでに4ヶ月経過。普通なら処分対象ですが、そこに絶妙なタイミングで届いたのが、Amazonスマイルセールで購入したアルゼンチン産のシャルドネ。価格的には、もはや“実質タダ”。偶然の一致に導かれ、検証してみることにしました。
実はつい先週も、別のアルゼンチン・シャルドネを飲んだばかり。その時のワインは、驚くほどシャブリ的で、酸の効いたフレッシュな味わいが秀逸でした。今回もひそかに期待していたのですが、商品説明欄にあった「バニラ」の文字が気になります。いわゆるオークチップ添加による“作られた香り”の可能性が高く、自然派ワイン好きの方からは「頭痛ワイン」と揶揄されかねないタイプかもしれません。
とはいえ、実際にグラスを傾けてみると、香りは意外と好印象。リンゴや柑橘に加え、ほんのりとしたバニラ香が混ざり合い、鼻を近づけた時点では思わず生唾が出るほど。ところが――飲んでみると一転、「あ、これは……」と、口の中にコンビニワインの記憶が蘇ります。水っぽく、どこかカルキを思わせるニュアンス。良く言えばライト、悪く言えば没個性。
ただ、ここで終わらないのがワインの面白さ。賞味期限を過ぎたクリームチーズソースと合わせた瞬間、このワインはまるで別物のように変貌しました。ソースのコクとワインのバニラ風味が見事に融合し、安ワイン特有の“軽さ”が逆に心地よく感じられるのです。
結論としては、このワイン単体で飲むには厳しいが、食中酒としては十分に機能する一本。むしろ、料理とワインの相性が持つポテンシャルの大きさを再認識させてくれました。
安ワイン=ハズレ、と思い込んでいる方こそ、ぜひ食とのペアリングを試してみてください。そこにこそ、“価格以上の価値”が眠っているかもしれません。