秋桜-COSMOS-

参考価格:5800円
購入:日本ワインにしよう
品種:ピノグリ&ゲベルツ
製造:秋保ワイナリー

サブスクで届いたワインを、気づけば3ヶ月も放置していた。

届いたのは10月。ワイナリーの名は「秋保」、ワインの名は「秋桜(コスモス)」。10月の誕生石ピンクトルマリンを思わせるピンクゴールドの輝き——まさに秋のためのワインだった。それを真冬の1月に開けている自分がいる。

季節を外すと、こうも気分が変わるものか。

サブスクワインは届いたらすぐ開けるべきだと、今さらながら痛感する。「もったいない」という気持ちが、かえってワインの魅力を半減させてしまう。


今回の一本は、宮城県仙台市の秋保ワイナリーが手がける「秋桜-COSMOS-」。仙台中心部から車で約30分、「仙台の奥座敷」と呼ばれる秋保温泉郷に位置するワイナリーだ。

以前、ここのオレンジワインを飲んだときも印象的だったが、今回もセパージュが興味深い。ピノ・グリ62%、ゲヴュルツトラミネール38%。この「62%」「38%」という細かな数字に、造り手の意図を感じる。ブレンドはいくらでも調整できるからこそ、この比率には意味があるはずだ。


冷蔵庫から出したての温度で、まずグラスに注ぐ。

香りはゲヴュルツの存在感が引っ張る。ライチ、そしてマスカット。フルーツが主役ではあるものの、ドッカンと押し寄せるわけではない。どこかハーブのニュアンスが漂い、華やかさの中に落ち着きがある。

口に含むと、甘みというよりはすっきりとした輪郭。しかしコクがあり、飲みごたえもある。軽やかで爽やか、それでいて深みもある——相反する要素がグラデーションのように重なり、一口ごとに表情を変える。余韻にはスパイスの気配。独特だが、飲んでいて飽きない。むしろ面白い。


「秋桜」という名には、震災からの復興への願いが込められている。

秋保の大地に根を張った自社畑100%のブドウから生まれたこのワイン。コスモスの花は、強風で茎が倒れても再び根を張り、より大きく咲き誇るという。可憐さの中に秘めた強さ——それをワインに重ねたのだろう。

谷と川を吹き抜ける涼やかな風、ミネラル豊富な土壌。秋保の風土がグラスの中に詰まっている。


季節は外してしまったけれど、このワインが持つ「再生と前進」の物語は、新年に開けるのも悪くなかったのかもしれない。

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井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com