ドメーヌ・ウィリ・ギッセルブレッシュトゥ ケーニッヒ ゲウュルツトラミネール トラディション
DOMAINE WILLY GISSELBRECHT KOENIG GEWURZTRAMINER TRADITION
参考小売価格:3000円
産地:アルザス
品種: ゲヴェルツトラミネール
購入元:ウメムラ(楽天)
インポーター:ミリオン商事
今年飲んできたワインの中で、最も心を揺さぶられた一本かもしれません。
「いやいや、また高いワインを開けているんでしょう?」と思われそうですが、今回は違います。なんと、ウメムラさんのリクエスト福袋に入っていた3,000円台のゲヴュルツトラミネール。前回飲んだ2,000円台の同品種との比較に半信半疑でしたが、その差は歴然。美味しさを数値化するなら、まさに「3倍旨い」と唸らされました。
グラスに注ぐと、まずライチの香りがはっきりと。そこに白桃の柔らかさ、バラの華やぎ、スパイスの刺激が重なり、複層的なアロマが広がります。口に含めば、まるで果実そのものを頬張ったような幸福感。しかもただ甘いだけでなく、しっかりとした酸が背骨を作り、表記通りの辛口として全体を引き締めてくれる。この「甘美さ」と「切れ味」の同居こそ、ゲヴュルツトラミネールの真骨頂だと再認識させられました。
この一本を手掛けるのは、アルザス地方でコーシャ市場向けにワインを供給してきた歴史あるブランド**「ケーニッヒ」**。1960年にエミーユ・ケーニッヒがストラスブールのユダヤ人コミュニティ向けに創業した後、2014年からはアルザスの名門ギッセルブレヒト家が引き継いでいます。彼らは17世紀から続くワイン生産者で、現在もダンバッハ・ラ・ヴィル周辺に17ヘクタールの畑を所有。伝統的な木樽や最新のステンレスタンクを使い分け、低温でじっくりと発酵させることで、土壌の個性を余すところなく引き出しています。瓶詰後も一年以上セラーで熟成させる徹底ぶりです。
今回の「ゲヴュルツトラミネール・トラディション」は、その哲学が詰まった一本。黄金色の輝きと共に、ライチ、ローズ、ペッパーといったゲヴュルツ特有のアロマが鮮やかに立ち上がり、口に含むとリッチでエキゾチックな果実味が広がりながら、酸がきれいに余韻を導きます。
価格を大きく超える味わいに出会えたときの喜び。まさにSランクの一本と呼ぶにふさわしい体験でした。
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Sランク (24年3月より基準改定)
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