GWF フランケン シルヴァーナー カビネット・トロッケン
GWF Silvaner Kabinett trocken
参考小売価格:1394円
産地:ドイツ・フランケン地方
品種: シルヴァーナー
購入元:カルディ
インポーター:オーバーシーズ
今回取り上げるのは、カルディの店頭で一度は目にしたことがあるであろう、独特のボトル形状が印象的なワインです。少々クセのある外観から敬遠されがちですが、実は専門家の間でも評価の高いシルヴァーナー種のワイン。フランケン地方を象徴する「ボックスボイテル(Bocksbeutel)」と呼ばれる平たいボトルに詰められており、ワイン検定などの勉強でも必ず登場する存在です。
今回のボトルには「Kabinett(カビネット)」と「Trocken(トロッケン)」という表記が並びます。前者は糖度が十分に高く、原料ブドウの成熟度が優れていることを示す格付け。一方で後者は「辛口」を意味する言葉です。「糖度が高いのに辛口?」と戸惑うかもしれませんが、これはブドウそのもののポテンシャルと、発酵による残糖の少なさという二つの軸が交差するため。糖度の高さはあくまでブドウの質を保証する指標であり、仕上がりの甘辛とは別のベクトルで捉えるのがポイントです。
かつて飲んだ際には「スッキリとしたフルーティーな白」という印象にとどまりましたが、今回は同価格帯の小瓶シルヴァーナーも手元にあり、比較試飲が可能です。
グラスに注ぐと、千円台としては力強く上品な香りが広がります。ライムやレモンの柑橘に加え、ハーブの清涼感。安価な白ワインにありがちな「フルーツ一辺倒」ではなく、この価格帯にしては複雑な香気を備えています。
味わいはシャープな酸が中心。軽やかで飲み疲れしないスタイルでありながら、カビネットらしい程よいふくよかさも感じられます。後味にはかすかな苦味が走り、食事との相性を高めるアクセントに。前菜からメインまで幅広く寄り添える、食中酒としての実力をしっかりと備えています。
シルヴァーナーを飲み比べてみると、今回のボトルは舌に密度感が絡みつき、品質の高さを実感させてくれる仕上がり。雑味の少なさも好印象で、万人におすすめできる一本です。