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フランス/ロワール地方

名門フォルニエ家の1本と、現実的な晩酌評価

フォルニエ ペール エ フィス ソーヴィニヨン ブラン F

FOURNIER PERE&FILS

参考小売価格:1590円

産地:ロワール

品種: ソーヴィニヨン・ブラン

購入元:ヴェリタス(楽天)

インポーター:ワインプレスインターナショナル

名門フォルニエ家の1本と、現実的な晩酌評価

ヴェリタスさんで購入した「ロワール白ワイン4本セット」。このセットの主目的は3種のミュスカデの比較でしたが、1本だけ紛れ込んでいたソーヴィニヨン・ブランが、なかなかの好材料となってくれました。

というのも、今月に入ってからトゥーレーヌ、サンセール、プイィ・フュメと、ロワールのソーヴィニヨン・ブランを立て続けに味わってきたタイミング。そのため、この1本を加えることで、区画違い・ビンテージ違い・価格帯違いを体感する格好の比較サンプルとなったのです。

今回飲んだのは、**ロワールの名門「フォルニエ・ペール・エ・フィス」**による1本。
サンセールの中心部ヴェルディニーにて、1926年から続く老舗ドメーヌ。カイヨット(石灰岩)、シレックス(火打石混じりの粘土)、テール・プランシュ(キンメリジャン粘土石灰質)という3種の典型的なロワールの土壌に畑を構え、プイィ・フュメやムヌトゥー・サロンも含めた計39haを所有しています。
非認証ながら有機栽培を実践し、畑管理には180年以上の経験を持つ職人チームが従事。サンセールやピノ・ノワールでの数々の受賞歴を持ち、ミシュラン3ツ星レストランにも採用されている実力派です。

──と、これだけの背景を持つ造り手だけに、自然と期待も高まるわけですが。

実際にボトルを開けてみると、まず色調が非常に淡く、同時に開けた3本のミュスカデと比較しても、ほとんど水のように透明。ほんのり黄色味がある程度で、目を凝らさないと“白ワイン”と気づかないほどでした。

香りはグレープフルーツと青野菜が中心。いかにもソーヴィニヨン・ブランらしい香味構成ではありますが、果実の凝縮感や広がりに乏しく、少々物足りなさも感じました。
味わいもやや水っぽく、酸味で辛うじて全体の骨格を保っている印象。定価1500円程度と考えれば許容範囲ではありますが、同価格帯であればチリやニュージーランドといった新世界のソーヴィニヨン・ブランの方が、わかりやすく魅力的な仕上がりになっているものが多いと感じます。

もちろん、これはあくまで「サンセールやプイィ・フュメを飲んだ直後の舌」での比較評価です。
軽やかで中庸な味わいだからこそ、食事の邪魔をせず、サラダや冷菜との食中酒として使い勝手は良好。ただ、ワイン単体として「特筆すべき何かがあるか?」と問われると、今回は少し厳しめの評価にならざるを得ませんでした。

とはいえ、これもまた比較試飲の醍醐味。
名門生産者の“普段着ワイン”がどれだけの実力を持っているかを知ることは、価格帯ごとの相場観をつかむ上で非常に重要です。飲み比べによって見えてくる輪郭──それこそが、ワインの面白さなのかもしれません。

本日の組み合わせ

庶民のお酒ランク(詳細

今回のワインは:Bランク (24年3月より基準改定

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com