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スペイン

季節外れの一本と、炭火の誘惑

 カスティーリョ サンタ・バルバラ レセルバ

Castillo Santa Bárbara Reserva

参考小売価格:2310円

産地:DOバルデペーニャス

品種: テンプラリーニョ

購入元:ワイン館ヴィヴァヴィーノ(楽天)

インポーター:株式会社ドウシシャ

本日のワインは、スペインを代表する黒ブドウ品種、テンプラリーニョ。気温も湿度も高くなるこの時期、どうしても重たい赤ワインからは遠ざかってしまいがちですが、ふとセラーを見返してみると、3月の楽天スーパーセールで購入していた一本が目に入りました。

「そろそろ飲まないと」──そんな義務感にも似た気持ちで抜栓を決意。せっかくなら相性のよい料理をと、炭火でじっくり焼いた焼き肉を用意することにしました。


香りと味わいの所感

グラスを傾けると、香りはダークチェリーやブラックベリーのような黒系果実。そこに、ほんのりとハーブやスパイスのニュアンスが重なります。オーク樽で12ヶ月熟成という記載でしたが、樽感は意外なほど控えめ。おそらく古樽を使用しているのでしょう。価格も2,000円ほどと考えれば、この控えめさはむしろ好感が持てます。

味わいは、きゅっと引き締まった酸味としっかりとしたタンニン。まだ若さを感じさせる、いわば“ピチピチ系チェリー”とでも言いたくなるような印象です。単体で飲むとやや固さもありますが、今回は焼き肉のタレがやや甘めだったこともあり、むしろこの酸と渋みが良い具合に調和してくれました。


ワイナリー紹介:フェルナンド・カストロ社

このワインを手がけるフェルナンド・カストロ社は、スペイン・カスティーリャ=ラ・マンチャ州のバルデペーニャス地方に拠点を置く、1850年創業の老舗ワイナリーです。

「農産物の安全性」「品質の高さ」「プロフェッショナリズム」──この3つを礎に、創業から170年以上の歴史を刻んできました。現マネージャーであるフェルナンド・カストロ・アルカラソ氏は2003年にワイナリーを継承し、開拓者精神とテロワールへの深い愛情、そして美味しいワインへの探究心をもって改革を進めた人物です。

その努力の結晶として、現在では世界各地のコンクールで1,000を超える受賞歴を誇り、名実ともにスペインを代表する名門ワイナリーのひとつに数えられる存在となっています。


おわりに

夏にあえて赤ワインを選ぶ──そんな選択ができるのも、炭火焼き肉という強い味方があってこそ。テンプラリーニョのキレのある酸と若々しい果実味が、口中の脂をさっぱりと流してくれる心地よさは、まさに“季節外れ”の楽しみ方だったのかもしれません。

冷房の効いた部屋で、炭火と赤ワイン。季節の逆張りも、悪くない。

本日の組み合わせ

焼き肉

庶民のお酒ランク(詳細

今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com