コノスル シングルヴィンヤード カルメネール
Cono Sur Single Vineyard Block No.28 La Rinconada Carmenere
参考小売価格:2638円
産地:チリ
品種: カルメネール
購入元:アマゾン
インポーター:スマイル
「みんな大好きコノスル」。
そのカルメネールを、今回はグリーンソサエティに続き〈シングルヴィンヤード・シリーズ〉で検証してみた。
ボトルを手に取るとまず感じるのは、圧倒的な存在感。
厚みのあるガラスに、控えめながら気品のあるラベルデザイン。
手頃な価格帯のコノスルの中でも、このシリーズは明らかに“特別扱い”されている印象だ。
シングルヴィンヤードとは何か
単一畑で収穫されたブドウのみを使用し、その土地の個性──いわゆるテロワール──を明確に表現するシリーズ。
チリ国内で2000ha近い畑(長期契約区画を含む)を所有するコノスルが、5年以上にわたって各地の土壌・気候を徹底研究。
その成果として、品種ごとに最適な区画を選び抜いてリリースされたのがこのシリーズである。
今回のカルメネールは、カチャポアル・ヴァレーのペウモ地区「第28区画」のブドウを使用。
100%フレンチオーク樽で熟成され、赤い果実のジューシーさとバランスの良さ、カルメネールらしい丸みを帯びた味わいが特徴──というのが公式説明。
ところが、グラスに注いでみて驚いた。
液面の色は鈍く、口に含むとカスカスで枯れた印象。
おそらく、熱劣化。コルクの上部までワインが染みており、嫌な予感は的中した。
香りは一瞬、香水のように華やかで、つい油断してしまったが、
果実の凝縮感もフレンチオーク由来のバニラも消え失せ、
残ったのは酸っぱいサクランボが痛みかけたような風味だけだった。
ワインの難しさはここにある。
経験を積めば「これは明らかに劣化している」と判断できる。
だが、初心者のうちは「こういう味なのかもしれない」と受け取ってしまうかもしれない。
同じボトルでも、流通経路や保管状況次第でまったく別物になる──
ワインが“生き物”と呼ばれる所以を、あらためて実感させられた。
幸い、Amazonに連絡するとすぐに代品を手配してくれた。
この誠実な対応も、今の時代の“ワイン文化”の一部なのかもしれない。






