クレマン・ド・ブルゴーニュフランソワ・ミクルスキ
CREMANT DE BOURGOGNE FRANCOIS MIKULSKI
参考小売価格:6930円
産地:ブルゴーニュ
購入元:ウメムラ(楽天)
インポーター:ファインズ
楽天スーパーセールで購入したウメムラさんの福袋。そのなかに、ひときわ輝きを放つ一本が入っていました。
フランソワ・ミクルスキによるクレマン・ド・ブルゴーニュ。普段ならワイン会でのとっておきに使いたいクラスの高級ワインですが、2025年後半戦を気持ちよくスタートさせるため、自宅で開栓。景気づけに、ちょっと背伸びしてみました。
お恥ずかしながら、これまでミクルスキの名を知りませんでした。ところがSNSでは、ラベル写真を上げただけで「ミクルスキだ!」という反応が続出。どうやら相当な知名度と人気を誇る生産者のようです。この機会にしっかり勉強してみました。
ムルソーの新星、フランソワ・ミクルスキとは
ミクルスキは、ブルゴーニュの名門がひしめくなかで、わずか数十年で地位を確立した異色の造り手です。ディジョン出身、もともとはラグビー選手を目指していたという異例の経歴を持ちながら、ワイン造りへの情熱に突き動かされて進路を転換。ボーヌのワイン学校で学び、カリフォルニアのカレラ・エステート、さらにムルソーの叔父の元で経験を積んだ後、1991年に自身のドメーヌを設立しました。
そのスタイルの根底にあるのは、「ブドウ本来の表情を、可能なかぎりピュアに表現すること」。畑ではビオロジックを実践し、自家製の堆肥を使用。収量も抑え、徹底的に自然と対話しながらブドウを育てています。醸造では天然酵母のみを使用し、発酵は温度管理された地下カーヴでじっくりと。新樽率は20%以下に抑え、樽の影を最小限に。こうして完成するワインは、ムルソーの豊かさと緊張感を同居させた、気品ある味わいに仕上がります。
彼が一躍注目を浴びた背景には、「新世代ムルソー」としての存在感があります。伝統をなぞるのではなく、誠実な造りで独自のスタイルを築いた。これはワインファンのみならず、プロフェッショナルたちにも刺さったのでしょう。
本日のペアリング:アペロの生ハムメロンとともに
そんな高まる期待値のなか、夕暮れどきのアペロタイムに、定番の生ハムメロンと合わせて一杯。
グラスに注げば、泡立ちは中程度。香りは軽快でフルーティ。ところが、口に含んだ瞬間、印象は一変。圧倒的に複雑。柑橘のような爽やかさを軸にしながらも、そこに寄り添うようにナッツのような香ばしさ。パン・ド・ミのような典型的なシャンパーニュ香は控えめながらも、リッチで奥行きのあるニュアンスが広がります。
口当たりは驚くほどなめらかで、まるで「食べる泡」。舌の上でテクスチャーが変化し、次々と味わいの層が立ち上がってきます。余韻では、蜂蜜のような甘さとふくよかな旨味が長く続き、グラスを置くのが惜しくなるほど。
価格は定価で7000円近く。ですが、その価値は充分にあります。
むしろこの複雑さ、この立体感――同価格帯のシャンパーニュに引けを取らず、むしろ凌駕している印象さえ受けました。ワイン通を唸らせる実力、まさに本命ワインの名にふさわしい一本です。
福袋で偶然出会ったこのミクルスキのクレマン。まさに新しい扉を開く一本となりました。
ムルソーの星、ミクルスキ。これはもう、次は白も飲んでみたくなりますね。
本日の組み合わせ
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Aランク (24年3月より基準改定)
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