参考小売価格:2893円
産地:北海道
品種: ケルナー
購入元:アマゾン
製造元:サッポロビール
https://youtube.com/shorts/zYWqPZZevwE?feature=share
新年1発目のワインとして、ケルナーを辛口と甘口で飲み比べている。今回は遅摘みの甘口のほう。
遅摘みは収穫時期を遅らせて、熟度が上がったぶどうを使う造り。甘みだけを押し出すというより、完熟由来の香りと、甘みと酸のバランスを狙いやすいのが強みだと思う。今回のボトルも北海道の余市で造られていて、契約栽培畑のぶどうを遅いタイミングで収穫し、糖度の高い果実を使っている。余市は日本海を見下ろす傾斜地の畑が多く、つくり手の手間と意図が味わいに反映されやすい産地でもある。平均気温や日照条件がドイツの銘醸地と似ていると言われるのも、こういう品種を成立させる背景として納得できる。
外観は辛口よりも明らかに濃い。見た目にも黄色みが増していて、甘口らしい雰囲気がある。香りは蜂蜜がまず出る。そこにオレンジっぽい柑橘のニュアンスが重なる。
飲むと甘さはしっかりある。ただ、甘口ワインにありがちな酸の弱さでだらける感じは少ない。この手の甘口は酸が残りやすいから、甘いのに形が崩れにくい。甘さを楽しめるのに、後半が重たくなりにくいのが良いところ。
個人的に面白かったのは、甘みの質。安い甘口だと、どうしてもベタつきが出て、飲み疲れする。甘さが舌に貼り付くというか、チューペットみたいに単調な甘さになることが多い。でもこのワインは、上品な蜂蜜のような甘みで、フルーツの輪郭が残る。甘いのに雑さが少ないから、飲み飽きしにくい。
おせちに当てるなら、狙いどおり甘いパートに強い。黒豆や栗きんとん、伊達巻のような甘みが前に出る料理に、甘さで寄り添える。実際に食べ合わせてみても、甘辛く煮た肉との相性が良かった。砂糖と醤油の甘辛さに、遅摘みの果実味が自然に重なる。
一方で、組み合わせによっては生草っぽさが顔を出す瞬間もある。ここは甘口の万能感に期待しすぎるとズレるポイントで、何と合わせると出やすいのかを把握しておくと選びやすくなる。とはいえ、おせち全体の中で見ると、完全なデザートワインに寄せた甘口ではなく、辛口と飲み分けするための甘口としてちょうどいい立ち位置だった。辛口が塩気と出汁のゾーンを拾い、甘口が甘いゾーンを拾う。その役割分担がきれいに成立するタイプのケルナーだと思う。
関連