パソ・ア・パソ オレンジ・フィールド・ブレンド・ナチュラル
Paso a Paso Vino de Garage Orange Field Blend
参考小売価格:2640円
産地:アルゼンチン
品種: アルゼンチンブレンド
購入元:燃えるカワサキ(楽天)
インポーター:ヴォガインターナショナル
楽天スーパーセールで「燃えるカワサキさん」のオレンジワインセットを購入。その中から、特に目を引いた一本をご紹介します。
産地はアルゼンチン。使用されているブドウ品種は クリオラ・グランデ、モスカテル、トロンテス、ビオニエ ——いずれも日本のスーパーでおなじみのワインからはなかなか想像がつかないラインナップ。その未知なる組み合わせに、否が応でもワクワクさせられます。
合わせた料理は筑前煮。どんな化学反応が起きるか楽しみにしつつ、冷蔵庫温度のままグラスに注ぎました。
第一印象は…… 苦味とエグみ が前面に出る、かなり攻めた味わい。例えるなら「茶葉をそのままかじったような」渋みが口中に広がります。これは冷やしすぎた影響もあり、時間経過で温度が上がってくると変化するだろうと期待しました。ところがその変化は一筋縄ではいきません。徐々に現れたのは 発酵した果実 や 酸っぱい梅干し、さらには 発酵食品 を彷彿とさせる独特の風味。万人受けは決してしない一本ですが、「飲み進める手が止まらない」という意味では、非常に個性的で面白いワインでした。私はむしろ、この“とっつきにくさ”に惹かれたほど。とはいえ、苦手な方は一口で流し台行き、という評価になるかもしれません。
さて、このワインのバックグラウンドもまた興味深いものがあります。
このオレンジワインは 150日間スキンコンタクト(果皮浸漬)させて造られたもの。しかも産地は 年間降水量わずか200mm、標高1050m という非常に厳しい環境。豊富な紫外線と抜群の日照量というテロワールが、凝縮感のあるブドウを育てます。
収穫は混植された畑から手摘みで行われ、100%全粒使用・野生酵母による自然発酵・マロラクティック発酵。さらに 樽は一切使用せず、枝も取り除き、ブドウの力のみで仕上げるという徹底したナチュラルなアプローチが貫かれています。瓶詰めも ノンフィルター・無濾過。
まさに「葡萄のまま、何も足さず自然のままボトリングされた」純粋無垢なワインです。
その“正直さ”が、あのクセになる苦味や発酵感に直結しているのかもしれません。
アルゼンチンというとマルベックなどの濃厚な赤ワインがまず思い浮かびますが、こうした土着的かつ挑戦的なオレンジワインが出てきているのは非常に面白い動き。
好き嫌いは分かれるとはいえ、ワイン好きなら一度は体験しておいて損はない一本だと感じました。
本日の組み合わせ
庶民のお酒ランク(詳細)
今回のワインは:Cランク (24年3月より基準改定)
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