EKW モーゼル リースリング 2023
MOSEL RIESLING
参考小売価格:1337円
産地:モーゼル
品種: リースリング
購入元:カルディ
インポーター:オーバーシーズ
今月は「ドイツワイン集中月間」。今回はカルディで購入した、モーゼル地方のリースリングを取り上げます。
モーゼルといえば、リースリングを語る上で欠かせない、まさに“教科書的産地”です。
私にとってリースリングは、もはやコーラの味を知っているのと同じくらい、感覚的に「これがリースリングだ」と認識している存在。とはいえ、最近は3,000円前後以上のレンジを中心に飲んでいたので、1,000円台前半のリースリングを前にすると、少し緊張感すら覚えます。安価ゆえの粗さか、それとも産地の矜持を感じられるか。恐る恐るグラスを傾けました。
香り:教科書的なリースリングの顔
立ちのぼるアロマはまさしくリースリング。
白桃の甘やかさに、レモンの爽快な酸、ハーブの清涼感。そして奥にはペトロール香。典型的かつ違和感のない香りの構成で、「なるほど、これぞリースリング」と頷ける安心感があります。
味わい:軽やかさの中にある“恐怖”と発見
口に含むと、まず感じるのは酸味とほろ苦さ。3,000円クラスと比較すれば、やはり密度感には欠け、水っぽさが否めません。蜂蜜のニュアンスはあるものの、甘さの厚みはなく、むしろドライで引き締まった方向。
ただし“キレキレの辛口”というよりは、苦味がやや強めに出ていて、舌に液体がしっかり乗らないため、スルリと喉を通ってしまいます。ある意味、飲み手に考える隙を与えず「流し込んでしまう」タイプ。
一方で、わずかにピリ辛のスパイス感がアクセントとして効いており、前菜や白身魚のソテー、ハーブを効かせたサラダなどと合わせれば、十分に食卓を彩る一本です。