コノスル マルベック ビシクレタ レゼルバ 2021
Cono Sur Bicicleta Malbec Reserva
参考小売価格:1300円ぐらい
産地:チリ
品種: マルベック
購入元:アマゾン
インポーター:Amazon
コンクールに向けた集中トレーニングの一環として、同じ品種や同じ産地のワインを“固め打ち”でテイスティングしています。
今回はロワール地方の特訓中に偶然出会った一本のマルベックをきっかけに、「そういえばマルベック、最近飲んでいなかったな」と思い出し、そこから怒涛のマルベック祭りが始まりました。
今日のテーマは、ちょっとクセになる赤ワイン、マルベック。
「濃厚でパワフルなのに、実は繊細」という矛盾すら魅力に変えてしまう、不思議なブドウです。
もし“一生で飲める赤ワインが1種類しか選べない”という問いがあれば、マルベックを選ぶかもしれません。もちろん資金に余裕があればピノ・ノワールに心は揺れますが……マルベックはとにかくコスパが抜群。この“手の届く非日常感”がたまりません。
今回は7本のマルベックをまとめて入手した中から、まずは3本──アルゼンチン、チリ、南仏ラングドック──を同時に試飲して、その共通点と違いをじっくり探っていきます。
マルベックってどんなブドウ?
マルベックは、もともとフランス・ボルドー原産の黒ブドウ品種です。現在では、世界の生産量の9割がアルゼンチンというほど、アルゼンチンを代表するブドウになりました。
特徴は、果皮が厚く、色も濃く、タンニンも豊富。
つまり、「濃い赤が好きな人」にはうってつけの存在。
フランスでは、あまりの濃さから“黒ワイン”と呼ばれることもあるほどです。
味わいの特徴と産地の個性
マルベックは、基本的にブラックチェリーやプラムのような濃厚な果実味に、スモーキーなニュアンスが加わります。産地によっても表情は異なります:
- アルゼンチン(特にメンドーサ)
・標高の高い畑:フレッシュでエレガント
・標高が低めの畑:ジューシーでパワフル - フランス(主にカオール)
・やや野性的で、土っぽさや鉄分のようなニュアンスが感じられます
飲むだけで**“その土地の空気感”を感じさせてくれる**のが、マルベックの醍醐味です。
第一弾:思い出の一本、チリのコノスル・マルベック
今回の試飲でまず手に取ったのが、懐かしの「コノスル」。
実はこのワイン、私がマルベックにハマるきっかけになった一本でもあります。たしか6年ほど前、ファミリーマート限定で800円前後で売られていた記憶が。
今回は2021年ヴィンテージ。久々の再会ですが、グラスに注ぐとやや明るめの紫色。香りはジャーミーナプラム、たばこ、枯葉。
以前の印象とは異なりますが、それもそのはず。棚に眠っていたワインが時を経て新たな表情を見せてくれました。
スクリューキャップがうまく開かず、まるごとスポッと抜けたのはご愛嬌。コルクならブショネを疑うところですが、スクリューキャップのおかげで安心。状態はむしろ良好で、今が飲み頃かもしれません。
棚熟成という意外な楽しみ方を教えてくれた一本です。
Cono Sur という生産者の魅力
「コノスル」とは、スペイン語で「南の円錐」を意味します。
南米大陸の形そのものをブランド名に冠し、「南から世界へワインの魅力を発信する」という想いのもと、1993年に設立されました。
高品質・高コスパを実現する生産者として、数々の国際的な賞を受賞。
有機栽培やサステナブルなワインづくりでも知られ、農夫たちの努力を象徴する「自転車ラベル」でもおなじみです。
今回飲んだのは、そんなラインナップの中でもコスパ最強の「ビシクレタ・レゼルバ」シリーズ。
凝縮感ある果実味、柔らかなタンニン、ほんのり感じる甘みとスパイス。
それでいて価格は1000円台──もはや説明不要のデイリーワインの完成形です。
このあともアルゼンチン、南仏のマルベックを続々と開けていきます。
それぞれのマルベックがもつ“顔”を比較することで、この品種の奥深さをもっと掘り下げていければと思います。次回もお楽しみに!