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フランス/ボルドー地方

自由と熟成が織りなす琥珀の誘惑

オレンジ・バディ・オレンジナチュール

Orange Buddy 

参考小売価格:3080円

産地:ボルドー

品種: セミヨン

購入元:燃えるカワサキ(楽天)

インポーター:ヴォガインターナショナル

燃えるカワサキさんで購入したオレンジワインセット。その中で異彩を放っていたのが、フランス・ボルドー産の自然派オレンジワインです。ラベルにはAOCの表記がなく、代わりに「ヴァン・ド・フランス(Vin de France)」という、国の厳格な格付け制度の枠を超えたカテゴリーが記されています。

これは単なる格下ワインではなく、むしろ生産者の自由な哲学と創造性を映し出す鏡とも言える存在。特に自然派ワインの世界では、「格付けに頼らず、自分たちのやり方で土地とぶどうの個性を引き出す」という信念のもと、ヴァン・ド・フランスを選ぶ生産者も少なくありません。

このワインも例外ではありませんでした。生産地はドルドーニュ川流域。粘土石灰質の土壌に根を張るのは、なんと80年という樹齢を誇るセミヨン100%。化学肥料や農薬を一切使わないオーガニック栽培を貫き、2018年にはHVE3(環境価値重視認証の最上位)を取得。糖分や亜硫酸は、公的検査機関による分析でも検出限界未満(LQ)という、まさに“自然体の極致”を体現する一本です。

ラベルデザインはポップでどこかキュート。まるでアメリカのキャンディパッケージのような明るさがあり、ワインラベルとは思えない親しみやすさ。思わず手に取ってしまう視覚的な魅力も備えています。

注いでまず驚いたのはその色調。琥珀色というより、まさに“濁った緑茶”。グラスからはりんごや茶葉、かりん、そしてセミヨン特有のはちみつを想起させる甘やかなニュアンスが立ち上ります。ひと口含むと、優しい口当たりの中にピリッとした酸味が走り、緩やかな渋みとともに多層的な味わいが広がっていきます。塩味を帯びたフィニッシュには、ほのかな蜂蜜のタッチ。甘やかでスムーズ、かつフレッシュ。誰が飲んでも心地よく、美味しいと感じやすいタイプのオレンジナチュールと言えるでしょう。

オレンジワインというと、クセが強かったり、酸化的な個性が前面に出すぎていたりと、玄人向けのイメージを持たれがちですが、この一本はまさにその先入観を覆す存在。フレッシュさ、果実味、渋み、塩味、そして余韻のバランスが秀逸で、「自然派ワインって何が違うの?」という方にも安心しておすすめできます。

気取らず、それでいて深くて、どこか自由。そんな一本でした。

本日の組み合わせ

庶民のお酒ランク(詳細

今回のワインは:Aランク (24年3月より基準改定

ABOUT ME
井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com