参考小売価格:2750円
産地:葡萄は山梨と兵庫
品種: 非公開
購入元:日本ワインにしよう
製造:上ノ国ワイナリー
最近の私のワインライフは、日本酒への傾倒を深めつつも、週に1本のワインを開けるというペースをデフォルトにしています。ワイン発信者としての感度を維持するための最低限の矜持といったところですが、今回グラスに注いだのは、2月のサブスクで届いたものをようやく開栓した、北海道・上の国ワイナリーの「天の川しずく」です。
このワインは、北海道のワイナリーでありながら兵庫県や山梨県のブドウをブレンドしているという、品種不明の興味深い構成を持っています。私はこうしたアプローチを非常にポジティブに捉えています。産地や品種の制約に縛られない分、目指すべき「味の設計図」さえ明確であれば、そこに向けて最適なパーツを組み合わせていける。結果として、誰もが美味しいと感じる普遍的なクオリティへ最短距離で到達できるのではないかと感じさせてくれるからです。
外観は深みのあるボルドーを思わせる色調で、香りにも3,000円価格帯のワインに求めるべき複雑さや立体感がしっかりと備わっています。しかし、その「ボルドーらしさ」を感じさせる第一印象から、巷で好まれる「飲みやすい赤」を想像して口に含むと、良い意味でその予測を裏切られることになります。
口当たりは非常にストイックで、酸味とタンニンが力強く主張します。正直に言えば、赤ワインが苦手な人が敬遠する要素が凝縮されているとも言えますが、それは同時に、赤ワイン好きがワインに求めている本質的な「骨格」が妥協なく詰め込まれている証左でもあります。単体で飲むには少々手強い印象を受けるかもしれませんが、これこそが「食事」というピースを求めているワインの姿なのです。
例えば、お好み焼きの甘いソースや、肉汁溢れるハンバーグといった、脂の旨味と甘みのある料理と合わせることで、このワインの真価は発揮されます。強固な酸とタンニンが料理の脂を中和し、味わいを一段高いレベルへと昇華させてくれる。まさに食事と共にあることで完成する、プロユースな設計と言えるでしょう。
こうして一本のワインと向き合う時間は、やはり替えがたいものです。しかし、気づけばもう5月。2月に手元に届いたワインを今頃楽しんでいる現状を鑑みると、週1本という貴重な機会をより鮮度高く活かすために、今後のワインの買い方やストックの管理についても、少し見直していく必要がありそうです。
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