今年最後のワインは甲州飲み比べ、グランポレールシリーズ甲州その2
参考小売価格:3200円
産地:山梨
品種: 甲州
購入元:アマゾン
製造元:サッポロビール
2025年最後のワインは、甲州の飲み比べで締めることにした。ステンレスタンク熟成と樽発酵。前の1本が甲州の酸と旨味をストレートに見せてくれたので、今度は樽がどう輪郭を変えるのかを確かめたかった。
今年はワインの価格が全体的に上がって、飲む本数は体感で半分くらいに落ちた。単純に節約の話でもあるけど、もう1つ理由がある。毎回のワインをショート動画で撮っていた時期があって、あれが思ったより消耗する。振り返ると、今くらいのペースがちょうどいい。飲むこと自体より、記録の義務感が疲れを作る瞬間がある。
今回の樽発酵は、しっかり主張する甲州としては初めて飲むタイプかもしれないと思っている。飲む前から期待値が上がる。グラスはステンレス側と形状を変えた。色が似ていたら分からなくなるのが嫌で、視覚からも差を取りたかった。
注いだ瞬間に、見た目で答えが出た。色調が濃い。黄色が深くて、淡い甲州とは明らかに違う。これだけで樽由来の変化があるのが分かる。香りも最初から立ち上がりが違う。バニラと言い切るほど甘さを押し出すわけではないが、樽の上品な香りがはっきりある。派手ではないのに、鼻先に残る質感が良い。
味わいは、方向性が一気にブルゴーニュ寄りになる。飲んだ瞬間に、これブルゴーニュじゃないかと思うようなニュアンスがある。価格は3000円以下で買っているのに、3000円のブルゴーニュと比べても遜色ないと感じた。ここは正直びっくりした。
先に飲んだステンレスタンク熟成の方が、買値で言うと500円くらい高い。定価ベースだと1000円くらい高いはずだ。だから最初は、値段が高い方が絶対うまいだろうと雑に構えていた。実際はそう単純ではなく、役割が違う。ステンレス側はシャブリ的で、この樽発酵はムルソー的。どっちが上かではなく、飲み分けの軸が立つ。日本ワインでシャブリとムルソーのレンジを遊べる感覚があるのは、かなり面白い。
今年はベスト5みたいな動画も作ったけど、この樽発酵の甲州は入っていても全くおかしくない。5位にツヴァイゲルトを選んだが、体感のレベル感としては同列に置ける。ツヴァイゲルトは熱が入ると一気に化けるし、グランシリーズは総じてレベルが高い。その並びにこの甲州が来るのは、個人的には事件に近い。
来年も、日本ワインは意識して追いかける。庶民のワイン研究所のブログにも、こういう飲み比べの記録をちゃんと残していく。2025年もありがとうございました。
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