参考小売価格:2193円

産地:北海道

品種: ケルナー

購入元:アマゾン

製造元:サッポロビール

新年1発目のワインは、おせちに合わせる前提でケルナーの飲み比べにした。おせちって日本酒のほうが合わせやすい。甘み、塩気、醤油のコク、出汁、酸味が同居していて、ワインだと相手が強すぎたり弱すぎたりして、噛み合わない瞬間が起きやすい。

ただ、年末年始は日本酒が続きがちで、4日連続くらいになると口が別の飲み物を求めてくる。そこで今回は、辛口のケルナーと、繊細な甘口のケルナーを用意して、おせちの守備範囲を広げる作戦にした。甘い料理には甘みで寄せる。塩気や出汁には酸と香りで寄せる。1本で全部を取りに行かず、2本で帳尻を合わせにいくイメージ。

まずは辛口のケルナーから。ケルナーはドイツ系の品種で、日本だと冷涼な地域でうまく出やすい。今回のボトルも北海道の余市で造られている。

外観は色調がかなり淡い。淡いのに、香りは意外と取れる。主役は青りんご。そこにほんの少し、レモンのような柑橘が重なる。香りが立つタイプというより、線が細くて清潔な香りがスッと伸びる感じ。

口に含むと、狙いどおりの酸が軸になる。ただ、味わいは想像していたドライ一直線ではなく、ぶどう由来の甘みがちゃんといる。体感としては辛口というより、やや辛口。ドライを期待して飲むと、これじゃない感が出る人もいると思う。でも、おせち相手だとこの甘みがむしろ助けになる。甘辛い味付けの多い正月料理に対して、酸だけで戦うと角が立つ。酸の骨格に、果実の甘みが薄く乗っているほうが、料理の甘みや醤油の丸さとケンカしにくい。

このワインは、負けるなのキャラクターがきちんと出ている。香りの青りんご、淡い色調、冷涼さの透明感。そのまま飲んでも成立するし、料理に寄り添う余地も残っている。おせちにワインを当てる難しさって、どれか1品に完璧でも、別の1品で崩れるところにある。だからこそ、こういう繊細さと少しの甘みを持ったケルナーは、入口としてかなり優秀だと思った。

ここから甘口のケルナーに繋げると、黒豆や栗きんとん、伊達巻のような甘みの強いゾーンを拾えるはず。辛口で塩気と出汁を拾って、甘口で甘みを拾う。正月の食卓をワインで崩さずに回すなら、この分業がいちばん現実的。

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井原大賀
1984年 高知生まれ ワイン系YouTuber。日本初のPodcastワイン番組をプロデュース。令和以降アマゾンで日本一読まれているワイン電子書籍の著者。年間40万ml以上ワインを飲む本物のワインガチ勢が語る再現性の高いワインライフ。お仕事のお依頼、コラボ、PR案件お待ちしております! info@grapejapan.com